24松 ページ26
「…………は…、え…、見つけた…?」
「はい!しかもこっちに来た時の痕跡っぽいのも見つけました!」
一瞬頭がフリーズした。
…え、マジで見つけてきたの…?
いきなりの朗報に着いていけず固まる俺をよそに、女は背負っていたリュックの中からスマホを取り出し俺に見せてきた。
「一応カメラで池を撮ってきたんですけど、ほらここ見えますか?」
画面には木々に囲まれたそこそこ大きな池…、と言うより綺麗な泉が映し出されていた。
草が生い茂っていて人に気付かれないようにひっそり存在している泉の水は、カメラ越しから見ても透き通っているのが分かり、どこか神秘的な雰囲気がある。
で、女が指差してるのは部分は泉の真ん中辺り。そこから光が溢れ出ているのが見えた。
……なんかチョロ松兄さんが出てきそう。
「ここの光が向こうの世界と繋がってるっぽいんですよ」
「……ただ単に太陽の光が反射してるとかじゃないの?」
「私も見つけた時そうかと思ったんですけど、でも確認したので間違いないです」
「………え、確認?何を?」
「え?光をですけど」
「どうやって?」
「池に入ってです」
あぁ、だから濡れてるのか。てかそこまでやってくれたのかよ。見た目は綺麗だけど、これ山の中の溜め池だろ。
「防水機能は無いので池の中の様子はスマホで撮れませんでしたけど、実際に光に触って確認したので」
「え、光に触れたの?」
「あ、いや触るっていうか、手を光に突っ込んでみたんです。そしたら腕まで飲み込まれて、その時腕に水の感覚はありませんでした。でもそこから先は入れなくて…」
「……」
もうちょっとおしとやかな娘かと思ってたけど、見た目に反してアグレッシブな一面もあるんだなぁって思った。
前もって説明してたとはいえ、この世界にとってこれは未知の光で、その先は何があるのかも分からないっていうのに、怖いとか思わないのかよ。
「このままじゃ向こうに行けないと思ったので、他に手掛かりが無いか探したんです。そしたら池の底にこれが沈んでるのを見つけまして」
そう言って彼女はリュックから何かを取り出した。
それは如何にも近未来って感じのカプセル型の機械だった。
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渚(プロフ) - 月花さん» 月花さんコメントありがとうございます!この時のイラストはazpainter2を使用して1から描いていました。今はクラスタを使っています。 (2020年2月3日 19時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 前もこの小説を読ませていただきました。でも松沼にハマっているのでまた読ませていただきます。 絵上手いですね、どうやって描いてるんですか? (2020年2月3日 17時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 投稿頑張ってください!! (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 一気に見ちゃいました!大体3時間位かな? (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ふゆっこさん» ふゆっこさんコメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い…、でもとても嬉しいです、閲覧ありがとうございます! (2019年8月31日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2016年2月15日 17時