23松 ページ25
――――――――…
―――――…
――…
―――……………っ……ん…………ま……さん………
真っ暗な視界の中、誰かの声が聞こえる。
―――……まつ…さ…、まつのさん……
男とは違う高い声…、この声は……
「――松野さん!!」
「フガッ!?」
鼻から変な声が出た。
目の前にはあの女が縁側に腰かけている俺の前にしゃがみ、これでもかってくらい顔を近付かせていた。めっちゃビビった。
いつの間にか辺りは暗くなっていて、太陽は沈みかけ、空は紺と橙のグラデーションに染まっている。
猫の温もりを堪能してる間に眠ってしまっていたらしく、白猫はもういなくなっていた。
ニャンコは俺の膝の上で丸くなって眠っていて未だに起きる様子は無い。
女は帰ってきたばかりなのか登山の恰好のままで、髪から水滴を滴らせている。
・・・・・。
え、なんで髪濡れてんの?
違和感はそれだけではなく、髪は濡れているのに服は濡れていないのにも気付いた。
一回風呂に入ったのかと思ったが、それにしては泥まみれだし、風呂に入ったのなら登山用の服も着替える筈だ。
「ごめんなさい。起こそうか迷ったんですけど、その体勢だと体痛くなるし、風邪も引くかと思いまして…」
「…それ思いっきりブーメランだから。てかなんで濡れてんの?」
「あ、そうだその事なんですけどね!」
女はだいぶ興奮しているようで、さらに顔を近付けてきた。
ちょ、近い近い近い鼻息かかる。なんか距離感おかしくなってないか?
一回落ち着くように促すと女はやっと距離が近いと自覚したのか、顔を赤くして離れてからごめんなさいと言った。
俺も彼女ほどではないと思うが赤面していることだろう。
「…で、どうしたの?」
「あぁえっとですね、見つけたんですよ!」
「……え…見つけたって…」
「池、見つけたんです」
自信たっぷりと言わんばかりに言う彼女の目は真っ直ぐに俺の目を射抜いていて、その澄んだ紫から目を逸らせなかった。
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渚(プロフ) - 月花さん» 月花さんコメントありがとうございます!この時のイラストはazpainter2を使用して1から描いていました。今はクラスタを使っています。 (2020年2月3日 19時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 前もこの小説を読ませていただきました。でも松沼にハマっているのでまた読ませていただきます。 絵上手いですね、どうやって描いてるんですか? (2020年2月3日 17時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 投稿頑張ってください!! (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 一気に見ちゃいました!大体3時間位かな? (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ふゆっこさん» ふゆっこさんコメントありがとうございます!天才だなんて恐れ多い…、でもとても嬉しいです、閲覧ありがとうございます! (2019年8月31日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2016年2月15日 17時