２０松 ページ22
――――――…
―――…
「(………何もかもバルスしねぇかなぁ…もう…)」
一夜明けて、空腹から来る気持ち悪さでまた憂鬱な朝(十時)を迎えた。
布団から体を起こす事さえ億劫で、気力が湧かない。
目に映る世界の彩は薄れ、全てが灰色掛かって見えている。比喩ではなく実際にそう見えてしまっている俺は完全に病気だ。
とりあえず顔だけでも洗って来ようと思い洗面所に向かった。
んで鏡見てちょっとビクッた。
「うわ…、隈やべぇ…」
いままで鏡なんて意識して見てなかったから、あまりの顔面の豹変ぶりにマジでビビった。
髪は以前よりボサボサになってて顔はやつれている。で、目の下がくっきりと黒ずんでて、だいぶ精神的に参ってるんだなって事が見ただけで伝わってくる。
「(……これ俺死ぬのかな…？)」
なんて他人事みたいに思いながら顔を洗い、いつもの部屋に戻ろうとした時、ニャンコがしきりに鳴いているのが部屋から聞こえてきた。
餌か？それともウ〇コか？と思い、一応部屋に戻るついでにニャンコ用のメシを持って行こうと台所に向かった。
台所にはやっぱり俺等分の飯が用意されていて、当たり前のように一言添えたメモも一緒に置いてある。
…よく飽きもせずにやるなぁとぼんやり思いながらニャンコの餌だけ持って部屋に戻った。
襖を開けたら目の前にはニャンコがちょこんと座っていると思いきや、予想に反してニャンコは俺がいる位置から反対側にある襖に爪を立てて引っ搔いていた。
当然それにより襖は傷付いてしまう訳で…。
「ちょ、それは駄目」
慌てて餌を置いてニャンコを襖から引き剥がした。
けどニャンコは襖から目を離さず、餌には見る気もないらしい。
…もしかして襖の向こうが気になるのだろうか？
試しにずっと閉め切っていた方の襖を開けると、そこには縁側があり庭に繋がっていた。縁側のガラス戸を開けるとニャンコはすぐ外に飛び出し、庭のど真ん中にちょこんと座り生垣の下を一点に見つめ始めた。
「(……なんかいる？)」
俺も目を凝らして生垣の下を見てみると、そこには一匹の白猫が蹲っていて、瞬きせずにこちらの様子を窺っているのが見えた。
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渚(プロフ) - 月花さん» 月花さんコメントありがとうございます！この時のイラストはazpainter2を使用して１から描いていました。今はクラスタを使っています。 (2020年2月3日 19時) (
レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 前もこの小説を読ませていただきました。でも松沼にハマっているのでまた読ませていただきます。 絵上手いですね、どうやって描いてるんですか？ (2020年2月3日 17時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 投稿頑張ってください！！ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 一気に見ちゃいました！大体3時間位かな？ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ふゆっこさん» ふゆっこさんコメントありがとうございます！天才だなんて恐れ多い…、でもとても嬉しいです、閲覧ありがとうございます！ (2019年8月31日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渚 | 作成日時：2016年2月15日 17時
