64松 一松said ページ34
――…
めんどくせぇ、心底めんどくせぇ。
Aとおやつを食べた後、客間もとい現俺の部屋でスマホのカメラ画面を凝視すること数分間。
何故こんなことしてるかというと、数分前に赤い馬鹿に言われたミッションとやらのせい。
なんでもAの写真を撮ってこっちに送ってこいと言うのだ。
聞いた瞬間通話を切ろうとしたら他の松達にもめっちゃ懇願されて、一松様とか言われ始めたからその流れで女王様プレイを満喫してついOK出しちゃって…、冷静になって考えたら高難易度ミッションであることに今更気が付いた。
Aの事だからありのまま話せば写真くらい撮らせてくれると思うけど、自分の容姿を気にしているとしたら彼女の闇の部分に触れることになる。まだ確信は無いけど、もしそうだとしたら気が引ける。
そもそもスマホとかあんま使ったことないし綺麗に撮れるかの自信も無い。女の子って綺麗に撮れたか気にしたりすると思うし、撮る側としては微妙なプレッシャーがある。
でも引き受けたからには放棄する訳にもいかないし…。
「(………まぁ声掛ければ後は流れでなんとかなるか)」
もしAが渋ったら止めればいい。
兄弟よりAの気持ちを尊重したい。
部屋を出て頭の中で何度も会話のシミュレーションをしながら廊下を歩いていると、和室から何やら楽しげな声が聞こえてきた。襖を開ければAが縁側に面している和室で座り込んでいるのを見つけた。
背中を向いているから何をしているかはここからじゃ見えない。……何やってんだろ?
「あ、一松さん!見てください、この子初めて私にじゃれてくれて――」
――パシャ
条件反射でカメラのシャッターを切ってた。
だってAが猫じゃらし持って白猫と戯れてたんだもん。
ベストショット、ゲットだぜ。
「え?今、写真撮りました?」
「あーあれだよ、そいつが初めて構ってくれた記念」
「あ、なるほど」
納得しよってからに。
とっさの言い訳だったから無理があるかと思ったのに、こいつオレオレ詐欺とかに引っ掛かんないか本気で心配になる。
因みにさっきのベストショットはしっかり保護しといた。
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渚(プロフ) - 妹系長女さん» 妹系長女さんコメントありがとうございます!ブリッチしてしまう程楽しんでいただけるとは光栄です!パート1の方にもコメントして下さりありがとうございました!励みになります! (2019年7月3日 12時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
妹系長女 - え、やっぱりこの小説マジで神ってるよね!そうだよね!だってこの小説読んでるとつい、ブリッチしてしまうんですもの...w (2019年7月2日 20時) (レス) id: 2d0849d162 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ゆっくりでいいささん» ゆっくりでいいささん、コメントありがとうございます!私も個人的にこのイラストが一番気に入っています! (2018年12月16日 19時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりでいいさ - 65話の一松の顔で大草原だったわ (2018年12月16日 16時) (レス) id: f5def87010 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - いつもイラストと一緒にお話も楽しみにしています!どっちも可愛いですね。一松のゲス顔もなんとも…。小話のリクエストで、スイカ割りとかスイカのお話みたいです(説明下手でごめんなさい)よろしくお願いします! (2018年1月10日 21時) (レス) id: 4940cabbbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2016年6月6日 21時