58松 ページ28
「…十四松?」
《あい!十四松でっす!一松兄さん元気にしてまっかー?》
「毎日元気に死んでまっせー」
《良かったー元気だー!みんなー一松兄さん元気だってボゥエ!?》
《十四松貸せ!一松大丈夫!?死んでない!?心臓パリンってなってない!?お兄ちゃん凄い心配なんだけど!》
「うっせ。スマホ離してても声聞こえるんだけど」
《久々の会話だってのに辛辣ぶべら!?》
《いちまーつ!!オーマイリルいちまーつ!!ブロークンハートしてないか!?声を聞かせてくれー!!》
《一松大丈夫!?犯罪者になってない!?闇に堕ちてない!?》
《だぁちょ、だーーもう!僕のスマホなんだから返してよ!つーか投げたりすんな壊す気か!!》
「あ、これトド松のスマホだったんだ」
ガタガタバタバタと電話越しにまた騒ぎが聞こえ始めた。
多分会話の内容からして一松さんのご兄弟だと思うけど…
一松さんはチラッと私を見た後、電話をスピーカー通話に切り替えてくれた。
「賑やかな方達ですね」
「素直に煩いって言っていいんだよ?てかなんでトド松の電話なの?てっきりデカパンが出るかと思ってたのに」
《いちいち手紙出して連絡するの面倒なんだって。で、異世界でも繋がるようにって勝手に僕のスマホ改造したんだよ。これで連絡を取り合ってくれって勝手に…!
…てか、え?一松兄さんの他に誰かいるの?》
私の声が聞こえたのかさっきまでの騒動が一気に静かになる。
これは挨拶した方がいいだろうか?
「あーうん、俺の恩人。Aも話す?嫌ならいいけど」
「できればご挨拶しておきたいです。皆さんも気になさってるみたいですし」
少し緊張するけど、一松さんからスマホを受け取って意を決して電話に出た。
「初めまして、こちちで一松さんを保護してます、梅宮Aです」
《え、あ、初めまして》
「一松さんはこちらで元気にしてらっしゃるので、どうか安心してください」
《い、いえ、こちらこそ兄弟がお世話になってます》
緊張気味の声が返ってきた後こそこそと複数の小声が聞こえてきた。
マジで女の子じゃん、とか。
え、ほんとに同居してんの?とか。
こんなに人の声が聞こえるって事は向こうもスピーカーなのかな?と思っていると一松さんが手を差し出してきた。
「もういい?話すこと無いなら代わって」
《ちょっと待て一松!その子に色々質問させて!聞きたい事いっぱいあるから!》
一松さんは不機嫌丸出しの顔で舌打ちを漏らした。
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渚(プロフ) - 妹系長女さん» 妹系長女さんコメントありがとうございます!ブリッチしてしまう程楽しんでいただけるとは光栄です!パート1の方にもコメントして下さりありがとうございました!励みになります! (2019年7月3日 12時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
妹系長女 - え、やっぱりこの小説マジで神ってるよね!そうだよね!だってこの小説読んでるとつい、ブリッチしてしまうんですもの...w (2019年7月2日 20時) (レス) id: 2d0849d162 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ゆっくりでいいささん» ゆっくりでいいささん、コメントありがとうございます!私も個人的にこのイラストが一番気に入っています! (2018年12月16日 19時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりでいいさ - 65話の一松の顔で大草原だったわ (2018年12月16日 16時) (レス) id: f5def87010 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - いつもイラストと一緒にお話も楽しみにしています!どっちも可愛いですね。一松のゲス顔もなんとも…。小話のリクエストで、スイカ割りとかスイカのお話みたいです(説明下手でごめんなさい)よろしくお願いします! (2018年1月10日 21時) (レス) id: 4940cabbbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2016年6月6日 21時