日常2『彼女の仕事1』 ページ3
一松side
草木も眠る丑三つ時。
…なんて言葉があるけど…。
[ゲーコゲーコゲーコゲーコ]
[ジージージージージージー]
[ゲーコゲーコゲーコゲーコゲーコゲーコゲーコゲーコ]
[ジージージージージージージージージージージージー]
「……(眠れるかボケッ!!)」
蛙と虫の大合唱のおかげで目が覚めてしまった。
くっそうるせぇ。
もう一度眠ろうと目を閉じるけど、寝よう寝ようと思えば思うほど、不思議と脳は冴えていくもので…。
「(完っ全に目ぇ覚めたわ…)」
水でも飲んで気を紛らわそうと思い部屋を出て台所に向かっていると、その途中にあるドアから明かりが漏れているのに気づいた。
…消し忘れたのか?
そう思い部屋を覗くと、そこには机に向かって何かの作業をしているAの姿があった。
部屋全体はたくさんの荷物に囲まれていて、机には何かの機材やら、金属の欠片みたいなのがいくつか無造作に置かれている。
……なんだこの部屋…?
気になってもう少し覗いてみようとしたら、床が軋んで音が鳴ってしまった。
それに気づいてAがこちらに振り返る。
「あれ、一松さんどうしたんですか?」
「目ぇ覚めたから水飲もうと思って…。Aは何してるの?こんな時間に」
「あー、これ仕上げちゃおうと思って。……もうこんな時間なんですね、気付かなかった…」
Aの手にあったのは、……二つの小さい花?…なのかな?
小さくてよく見えない。
近くで見ようと思い部屋に入ると、廊下とは違う作業場の独特の空気に包まれた。
「…ここって仕事場?」
「そっか、一松さんここ見るの初めてでしたね。そうですよ」
「…それ…イヤリング?」
「はい。もう少しで出来上がるんです」
薄桃色の小さな花の中心に一つの真珠。
それに雫の形のビーズが一個ぶら下がってるシンプルなデザインのイヤリング。
女の子らしくて、とても可愛いと思う。
「これAが作ったの?」
「はい、作業し始めたら止まらなくなっちゃって。もう終わりますから」
そう言うとAは、先が細くなっているピンセットを持って金属の部分を細かく整え始めた。
―――――――
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渚(プロフ) - 妹系長女さん» 妹系長女さんコメントありがとうございます!ブリッチしてしまう程楽しんでいただけるとは光栄です!パート1の方にもコメントして下さりありがとうございました!励みになります! (2019年7月3日 12時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
妹系長女 - え、やっぱりこの小説マジで神ってるよね!そうだよね!だってこの小説読んでるとつい、ブリッチしてしまうんですもの...w (2019年7月2日 20時) (レス) id: 2d0849d162 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ゆっくりでいいささん» ゆっくりでいいささん、コメントありがとうございます!私も個人的にこのイラストが一番気に入っています! (2018年12月16日 19時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりでいいさ - 65話の一松の顔で大草原だったわ (2018年12月16日 16時) (レス) id: f5def87010 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - いつもイラストと一緒にお話も楽しみにしています!どっちも可愛いですね。一松のゲス顔もなんとも…。小話のリクエストで、スイカ割りとかスイカのお話みたいです(説明下手でごめんなさい)よろしくお願いします! (2018年1月10日 21時) (レス) id: 4940cabbbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:渚 | 作成日時:2016年6月6日 21時