【おそ松さん】ガラスの猫は銀の月に落ちる２

４３松 ページ13

「(いや寂しいってなんだよっ!?キモいわっ!!)」
　


　
思わず壁に頭突きをかましてしまった。凄い音がした気がした。
しまった、Aの家の壁なのに…。

ひびが入ってないかどうかを調べて、ないことを確認して息を吐いた。


今ここにAがいなくて助かった。
今の見られてたら完全にドン引かれてた。


　
気を紛らわそうと居間の適当なとこに座ってテレビをつけた。
つっても昼間だからか、どのチャンネルもニュースとか話の流れが分からない刑事ドラマとかしかやってなくて、なんかつまんないから結局消した。


Aは俺が向こうに帰るのに必要な荷物を纏めていて居間にはいない。


荷物と言っても、俺はこっちに来るときエスパーニャンコしか連れてきてなかったから、こっちで作ってもらった服とか日用品とかなんだけど。


本来なら俺も立ち会わなきゃいけないとは思うけど、正直俺は持って行っても行かなくてもどっちでもいいから、Aが勝手にやってる。
別に処分してくれて構わないのに…。

　


……というか…、正直こっちの荷物は向こうに持って行きたくない…。

　


別に持っていくのが面倒臭いって訳じゃない。
Aから貰った物が不服な訳でもない。
むしろ家宝にしたいレベルのものばかり。



…だけど、持って帰ったら絶対余計な感情も付いてくる…。



持ち帰った物を見て、そのたびにAを思い出す。


そんで絶対引き摺る。
しばらく……、いや一生引き摺る。



たかが一か月、されど一か月。

それほど彼女と過ごした時間は充実してて、幸せで…。


　

　


『ずっと続けばいいのに』

「――っ、…いきなりしゃべんな」






いつの間にか正面に座っていたニャンコ。
考え事をしていたせいで気付かなかった。

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