日常１『ご近所付き合い』 ページ2
ある日の午後のこと。
「おーいAちゃん居っか？」
「っ!?えっ、えっ!?」
「あ、山中さんこんにちわ」
一松さんと居間で寛いでいると、ご近所のおじさんこと山中さんがやって来た。
「ちょ、なにこの人？普通に玄関から上がり込んで来たんだけど？」
「ご近所に住んでる山中さんです」
「そういう事じゃなくて！っていうか玄関の鍵は？」
「いつも開けっ放しですよ？」
「はぁ!?」
「Aちゃん、そいつ誰だい？もしかして彼氏か？」
「ッ!!?」
「いえ、この人は私の親戚で、訳あって少しの間居候してるんです」
「そうなんかぁ。あ、これキャベツ採り過ぎたから置いてくけん、食べてなぁ」
「わっ、こんなにたくさん！ありがとうございます！」
「おぅ！んじゃ俺、仕事戻っけぇ！」
んじゃな！と言って山中さんは帰っていった。
その場に残されたキャベツの一つを手に取ると、それはずっしりと重くて身が引き締まってるが分かった。
どれもおいしそうだ。
「一松さん、私これ台所に置いてきますね。…………一松さん？」
「…ぇ…ぁ…」
「…あー、もしかしてびっくりしちゃいました？」
「あ、…うん…。いつもあんななの？」
「そうですね。私も初めの頃はびっくりしました」
時には縁側から来たり、裏口から来たり、その度にびっくりしてたけど、今はもう慣れちゃったなぁ。
「ここら辺の方達は皆いい人ばかりなので大丈夫ですよ」
「……」
「一松さん？」
「初めの頃って事は、Aは初めからここに住んでたわけじゃないの？」
あー…、そこ聞いちゃいますか…。
「そうですね。高校に入る前にここに越してきたんです。色々と都合がありまして」
「……都合…」
一松さんはそれ以上の事は聞いてこなかったけど、誤魔化してる事には気付いてるんだろうな…。
「それ運ぶの手伝う」
「ありがとうございます、助かります」
「ん」
本当は気になるであろう事なのに、そこを聞かない辺り…。
……本当に優しい人だ…。
その数分後、何故か地域一体に私が彼氏を連れてきたという噂が広がり、それを聞きつけたおば様方がお祝いにと大量の野菜を持って家に押しかけて来ました。
その際に一松さんは美形に目が無いおば様方の質問攻めとボディータッチの嵐にあい、皆様がお帰りになる時には屍になってしまっていました。
とりあえず今夜は野菜パーティーです。
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渚(プロフ) - 妹系長女さん» 妹系長女さんコメントありがとうございます！ブリッチしてしまう程楽しんでいただけるとは光栄です！パート1の方にもコメントして下さりありがとうございました！励みになります！ (2019年7月3日 12時) (
レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
妹系長女 - え、やっぱりこの小説マジで神ってるよね！そうだよね！だってこの小説読んでるとつい、ブリッチしてしまうんですもの...w (2019年7月2日 20時) (レス) id: 2d0849d162 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ゆっくりでいいささん» ゆっくりでいいささん、コメントありがとうございます！私も個人的にこのイラストが一番気に入っています！ (2018年12月16日 19時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりでいいさ - ６５話の一松の顔で大草原だったわ (2018年12月16日 16時) (レス) id: f5def87010 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - いつもイラストと一緒にお話も楽しみにしています！どっちも可愛いですね。一松のゲス顔もなんとも…。小話のリクエストで、スイカ割りとかスイカのお話みたいです（説明下手でごめんなさい）よろしくお願いします！ (2018年1月10日 21時) (レス) id: 4940cabbbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渚 | 作成日時：2016年6月6日 21時
