【あんスタ】ただの用務員ですが。なにか？ (ページ3)

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52.バラすな畜生ページ3

『まっ、いいや。
そうそう、思ってたんだけど今日転校生は？』

「違うライブのお手伝い行ってるんだ！」

『へ～･･･、てっきり転校生はTricksterについてくと思ってたけど』

「俺らのライブの方が決まるのが遅くてな」

『あぁ、なるほどなぁ』

氷鷹くんの言葉にそれなら頷ける、と言わんばかりに首を縦に振る。

転校生も色々引っ張りだこで大忙しだなぁ、倒れなきゃいいけど。俺もちょい手伝ってやるかな。

『あ、衣装大丈夫そうか？』

「都築さんすんません！」

『どうした？』

「このボタン取れそうで」

『あ～本当だ。すぐ直すから脱いでくれ』

「はーい」

ショルダーバッグからソーイングセットを取り出し、衣更くんから受け取った衣装を手直しする。

運んでくる時になんか引っかかったか？まぁこれぐらいで良かったわ。ボタン無くなってたとかだと、予備がないとさすがにどうしようもないし。

「都築さんって手先器用ですよね」

『慣れだよ、慣れ。
そんなん言うなら遊木くんだってゲーム上手いし』

「それ同じですか？」

「･･･都築さんが好かれる理由が身に染みるな」

「ヅッキーみんなに好かれてるもんねっ！」

『えぇー･･･そんな事ないって。大神くんなんかには多分好かれてねぇよ』

あの態度だぞ、威嚇するような。あれが好かれてるって言うなら、そうかもだけど。

そう言えば、Tricksterは呆気に取られたように固まってしまった。

『んえ、？』

「ガミさんヅッキーの事好きだよ！！」

『えぇ、それはない』

「都築さんって意外と疎いのか？」

『え、なんでだよ！』

「大神の奴、暇さえあれば都築さんの話してきますよ」

『･･･なにそれ知らねぇ』

俺の話をする･･･？あの怒鳴り散らすような大神くんが？いやいやいや、それは。

「この前は踊っていたのを絶賛してたぞ」

『･････。』

「つ、都築さん！？」

なぜナチュラルに皆して俺が踊ったのバラすんだよ畜生。これだから踊るの嫌なんだよ！！

はあと肩を落とせば、心配そうな彼らの顔が視界に入り、手直しの終わった衣装を衣更くんに押し付ける。

『ほい、アイドルがそんな顔すんなっつーの。こんな時こそアイドルが俺を笑わせろって』

な？と笑いかければ、Tricksterが顔を見合わせて笑いあっていて。

このユニットは2年だけってのもあるし、革命起こしたぐらいだし、ホント仲いいよなぁ。

･･･少しだけ羨ましいと思った気持ちに蓋をして。