49.おかしい ページ49
『いやおかしい』
「な〜にがっ？」
『･･･いや、おかしい』
俺が状況を飲み込めずにあっけらかんとしていれば、明星くんに顔をのぞき込まれる。
いやいやいや、おかしいと思わないか？おかしいと思ってくれ頼むから。
「すんません、都築さん」
「俺たちのせいで申し訳ない」
『ああ、まぁそっちは気にしないでいいって。悩んでんのはこっちの事情だから』
急に電話が陣先生から掛かってきて？Tricksterのライブの付き添いに行けなくなったから行ってくれって言われ？挙げ句の果てにはライブの運営会社が俺んトコで？？
いいこと全くねぇじゃねぇか、ふざけんなよマジ。
イラついてる心を少しでも落ち着けるように、目の前のオレンジの髪をわしゃわしゃと撫でる。
「わっ、ヅッキー！」
『よし、遊木くんもつーかまーえたっ』
「わわっ！都築さんテンションどうしたんですか！」
『上げなきゃやってられねぇんだよ』
ただただ出てくる溜め息を止めることは出来ず、とりあえず周りを見ないようにしてTricksterだけを視界に入れる。
居心地の悪さったらハンパねぇな畜生。
･･･そうだった、挨拶回り行かねぇとじゃん。氷鷹くんみたいな冷静沈着の奴がTricksterのリーダーでよかったよ。
『氷鷹くん、挨拶回り･･･行こうか』
「つ、都築さん大丈夫･･･っスか？」
『衣更くんよ、これが大丈夫に見えるか？』
「ごっごめんなさい！？見えないです！」
おい氷鷹大丈夫なのか･･･？俺に聞くな、的な氷鷹くんと衣更くんの内緒話が聞こえてきて頭を抱える。
ごめんなTrickster、いつもならもうちょいマシなんだ。条件が条件なんだ、許してくれ。
なんて、心の中で謝ってから挨拶回りに出掛ければ、
今日に限って
「･･･おや、Aじゃないか」
忌々しい声が俺の脳内にこだまし、ゆっくりと声がする方へ振り返った。
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零音(プロフ) - 不眠猫さん» 申し訳ありませんでした。訂正いたしましたのでご確認お願いします。ご指摘ありがとうございました。 (2018年3月11日 15時) (
レス) id: 86bc35ccfa (このIDを非表示/違反報告)
不眠猫(プロフ) - に〜ちゃんの苗字は[仁兎]です (2018年3月9日 23時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆたん | 作成日時：2018年3月2日 22時
