3.可愛さを求めるな ページ3
事務室の自分の椅子に座りながら、用意した温かいココアをグッと喉に通す。
『うん、あっまい』
そう呟いてから、デスクワークを一旦やめて机にぐでーっと倒れ込む。
ちょーっと体力落ちたなぁ。
「･･･そりゃ〜甘いだろ、ココアだしな」
ｶﾀﾝｯ
『うおっ！？』
ぬっと後ろから伸びてきた手にはコーヒーがあり、俺の少し隣に音を鳴らしながら置かれる。
びっ、くりしたぁ。いきなりは心臓止まるからやめろってんだ。
「わりぃ〜、驚かすつもりはなかったんだがなぁ」
『こんちは、陣先生』
「おう都築の坊ちゃん」
『･･･その呼び方やめてください』
ムスッとむくれて口を尖らせながら、ココアを一口こくりと飲む。
『っていうか、保健室放っぽかして何してるんスか？』
「俺だって用がなきゃ保健室から遠い
『じゃあ用件を簡潔に』
「可愛くねぇな」
『･･･逆に20代後半の俺に可愛さ求めてるんですか？』
「･･･それはねぇけどよ」
だろ、と返してもう1回用件を聞き直す。
すると ほい、と頭にプリントを乗せられて眉を寄せる。
目の前の机におけ、頭に乗せる必要性ないだろ！？
「これ、なんか事務室通して欲しいってあきやんが。
で、その後に生徒会室にって」
『あー、了解しました〜』
「あー あと、ガーデンテラスが少し散らかってきたから手入れと掃除頼むってさ」
『･････マジで』
「あからさまに嫌な顔するなぁお前」
ガーデンテラスの単語から連想される人物が頭に浮かび、嫌でも笑顔が引き攣る。
苦手な奴がよくいるんだよなぁ、ガーデンテラス。
とてつもなく行きたくねぇ。
「まぁ頼んだわ」
『んんん、はーい』
手を振って出て行く陣先生に軽く手を振り返して、デスクワークに戻る。
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零音(プロフ) - 不眠猫さん» 申し訳ありませんでした。訂正いたしましたのでご確認お願いします。ご指摘ありがとうございました。 (2018年3月11日 15時) (
レス) id: 86bc35ccfa (このIDを非表示/違反報告)
不眠猫(プロフ) - に〜ちゃんの苗字は[仁兎]です (2018年3月9日 23時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆたん | 作成日時：2018年3月2日 22時
