/帰りましょう。86 ページ7
一番最初に当てたの私じゃん。待ってよ。これ。ずるくね?そんなの知らないよ
あ「なんであの時、黒子さんのイグナイトパスの廻の方やろうと思ったんだろう……別に、そのままカギ閉めちゃえばよかった」
けど……あの時はまだ、こっちに来れてなかった気が……
あ「何もヒントもなしに足を見つけるのは難しいよなぁ。もっとこう…場所を絞れないかな…」
うへぇ…どれだけ校舎広いと……でも、化け物はあの足のない人にだけになるってことだよね?探索の危険度は下がる…のか……?
ま、考えてもしょうがないか。分からないし!
あ「皆さんを帰らせないと……そうしたら、もう……赤司さん達には会えないけどね…」
それは寂しい、かなぁ……
本を閉じて階段を降りようと振り返った
赤「それがキミの素なのかい?」
あ「っ……!」
瞳の温度が低い赤司さんが、階段の前に立っていた
あ「ひ、独り言ぐらい敬語は抜けますよっ?」
赤「そうみたいだね。けれど俺が聞きたいのはそういうことじゃない」
目を細めた赤司さんが1歩、1歩と近づいてくる
赤「帰らせる、だと?巫山戯たことを言うな。Aも帰るんだ」
近づくにつれて、赤司さんの目が、悲しそうに揺れているのに気づいた
赤「もう会えないとはどういう意味だっ…」
目の前で立ち止まった赤司さん
あ「な……何言ってるんですか?そんなこと言ってませんよ。ほらっ早く下に行かないと……5時間目を始めましょう!」
赤司さんの横を通り過ぎた
赤「A」
ビクリと身体が強ばり、立ち止まった
赤「……嘘は…つかないでくれっ……」
余りにも苦しそうな声に振り向くと、赤司さんは顔を歪めていた
あ「……」
下を向いた。嘘……か…
赤「なぁ、A……教えてくれ。前も、言っていた。何故会えないっ……何故、そんな事を言うっ……何故俺は……」
ふわりと赤司さんが私を抱きしめた
赤「こんなに不安になるんだっ……!」
あ「っ!……赤司、さん…私はっ」
赤「嫌だ……嫌だ。俺はAと離れたくない……!」
ぎゅうと腕の力が強くなるのに比例して、私の胸も苦しくなる
私だって嫌だ。出来ることなら、一緒にいたい。この思いだって、忘れたくないっ…けど……
グッと赤司さんを押し返した
あ「…ごめんなさい」
逃げるように、階段を降りていった
赤「A……」
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通りすがり - 高尾くんが死んじゃったときはボロボロ泣いちゃいました。 最後はとっても幸せそうで良かったです!! とってもいいお話をありがとうございました! (2019年10月11日 1時) (レス) id: b376688aed (このIDを非表示/違反報告)
咲 - なっ泣けたこんなに泣いたの生まれて25年初めてです! (2018年1月6日 1時) (レス) id: 86518e5421 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - すいません、91話、【秀徳】が【秀得】になってましたよ。 (2016年9月10日 5時) (レス) id: aa89b6be9e (このIDを非表示/違反報告)
碧覇(プロフ) - とても、面白く、感動的でした! 今後の赤司さんと夢主ちゃんの話が、みたいです!(ただのリクエストですが)これからも応援しています。頑張って下さい!楽しみにしております! (2016年6月28日 20時) (レス) id: 6a9e057f32 (このIDを非表示/違反報告)
乱花(プロフ) - 凄く面白かったです!赤司様大好きなのでよかったです!沢山ある展開にハラハラしながら何回も読み返しちゃいます(笑)別の作品も頑張ってください! (2016年6月25日 5時) (レス) id: accd4d12ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠りん | 作成日時:2016年2月20日 22時