/帰りましょう。109 ページ30
あ「ごめんなさいっ…ご、めっ……」
顔を両手で覆って、ずっと繰り返すその言葉がすごく痛かった
赤「A、そんなに謝るな」
フルフルと首を横に振ったAは、少女から1歩離れた
り「A……?」
あ「私…皆さんと会えて、本当に嬉しかったんです。最初は、ちょっと辛かったけど、皆さんが優しいこと、温かいことを知りました。そして、会えて嬉しかったことは、りんにも……」
A……?
あ「……言えるんだよ」
Aは涙が零れるのをそのままに、少女を見た
Aside
り「え…?」
あ「なんで…私の敬語を止めさ…せなかったのっ…?りんは、敬語嫌いで…い、つもみたいに「敬語は嫌い」って……なんで言ってく…っれないの……?」
り「そ、れは…!こんな状況だし……Aはもともと敬語で…!ここにいる人達がっ……」
あ「りんっ!」
り「っ……」
自分が怖い。なんでこんなこと言ってるんだろう。それでも、その答えが正しい気がして……
あ「私、2番を選ぶね……」
り「なんでっ……私、皆とっ……Aとっ!バスケしたいよ!」
ぐにゃりと顔を歪めたりんに、また涙が込み上げる
あ「貴女はりんじゃない!」
もし、本物だったら……?
り「Aっ!」
私は……
り「嫌よっAっ!」
りんが泣きながら壁を叩く。胸が張り裂けそうで、息するのさせ苦しい
それでも、伸びた手は止まらずに、2番へと伸びて行った
あ「りん…大好きだよっ……」
もし、本物だったら。もし、偽物だとしても。私は泣くよ。間違ってたら怖い。合ってたとしても、彼女は泣いた…叫んだ。生きたいと
ブワッと勢いよく光に包まれて消えていったりん。コトンッと赤いビー玉が転がり、私の足下で止まった
あ「っ……ぅ、あ……」
『Aっ!』
あ「っ……ふっ…うぅ…り、ん……りんっ!…っ…ぁあああああっ……!!!」
痛いよ、苦しいよ…
赤「A」
崩れ落ちた私を赤司さんは優しく抱きしめて、頭を撫でた
赤「Aが選んだ答えが、俺達には合ってるか分からない。それでも、Aは本物のりんとの記憶を選んだんだね。よく、耐えたよ…」
あ「…私っ……私……!」
頭の中がぐるぐると整理がつかなくて混乱している
泣いたら、スッキリするのかな……
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通りすがり - 高尾くんが死んじゃったときはボロボロ泣いちゃいました。 最後はとっても幸せそうで良かったです!! とってもいいお話をありがとうございました! (2019年10月11日 1時) (レス) id: b376688aed (このIDを非表示/違反報告)
咲 - なっ泣けたこんなに泣いたの生まれて25年初めてです! (2018年1月6日 1時) (レス) id: 86518e5421 (このIDを非表示/違反報告)
柚 - すいません、91話、【秀徳】が【秀得】になってましたよ。 (2016年9月10日 5時) (レス) id: aa89b6be9e (このIDを非表示/違反報告)
碧覇(プロフ) - とても、面白く、感動的でした! 今後の赤司さんと夢主ちゃんの話が、みたいです!(ただのリクエストですが)これからも応援しています。頑張って下さい!楽しみにしております! (2016年6月28日 20時) (レス) id: 6a9e057f32 (このIDを非表示/違反報告)
乱花(プロフ) - 凄く面白かったです!赤司様大好きなのでよかったです!沢山ある展開にハラハラしながら何回も読み返しちゃいます(笑)別の作品も頑張ってください! (2016年6月25日 5時) (レス) id: accd4d12ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠りん | 作成日時:2016年2月20日 22時