/帰るんです。70 ページ31
体育館に着くまで、それはもう酷かった
何故なら倒した奴ら全員が集合しているのだ
青「くっそ、うぜぇ!なんなんだよ!」
あ「歓迎っ…されてます、ね!」
青「嬉しくねぇよ!!!」
1番嫌なのは、あのキツネ面さん。おかげで切り傷がたくさん出来た
あ「うわっ!?」
足元に転がっていた何かに躓いて転んだ。繋いでいた手がするりと解けて、少し遠くに青峰さんが止まった
青「A!」
足元には被服室にあった人形がゴロゴロと転がっていた
後ろからは、キツネ面さんが近づいてくる
立ち上がらなきゃと思うけど、切った所が傷んで小さく呻くことしか出来なかった
青「A!避けろ!」
コチラに向かってくる青峰さん。私の真後ろに腕を振り上げたキツネ面さんが立っていた。キラリと光るそれが何か分かるまで、少し時間がかかった
立つことも、何かを言うこともせずにただ、目を瞑った
グサッ…
青「え…?」
……あ、れ?痛くな、い……?
恐る恐る目を開けると、視界いっぱいに綺麗な黒い髪があった
『も、うすぐ、よ…体育館まで、あと……頑張って…走りなさい……』
もう死んでいると分かっていても、その胸から流れる赤いものの意味に混乱した
あ「な、ん…で……!敏架さん!」
敏架さんの足元がキラキラと消えていく
『早く、行きなさい……ここか、ら、出るんでしょう…?』
あ「い、いやっ……ぃや……!」
青「A!」
首を振って動かない私を青峰さんが抱えると、そのまま走り出した
あ「いやぁっ!降ろして……!敏架さん!嫌だっ…敏架さん……!」
青「…」
手を伸ばしても、どんどん遠ざかるだけ。最後に見えた敏架さんの顔は綺麗な笑顔だった
体育館に着いた。やはり、化け物はこちらに来ることが出来ないようで、追いかけて来なかった
あ「うぅっ……は、やか……さん!」
涙が止まらなかった。青峰さんは何も言わずに私も抱きしめて頭を優しく撫でる
震える手で、青峰さんのジャージの裾を掴み、思いっきり泣いた。なんでこんなに涙が出てくるのか分からなかった
ジャージにシミができても、青峰さんはずっとポンポンと頭を撫で続けてくれた
469人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
^o^ - 帰りましょうの43話が「そんなこと」が「そんなとこ」になってます! (2016年5月7日 21時) (レス) id: fd496c1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
綾華 - 面白い!赤司最高! (2016年2月21日 18時) (レス) id: 43df02899a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - やばい!!!もっともっと青峰との絡みをふやしてくださぁぁぁぁぁぁぁい!!!!! (2016年2月20日 16時) (レス) id: 21b34c5310 (このIDを非表示/違反報告)
赤眼の月兎。。(プロフ) - 更新が楽しみですっ!頑張ってください! (2016年2月20日 11時) (レス) id: 5b1e908fcb (このIDを非表示/違反報告)
ユー - 展開が早くなりました!続きが楽しみです!更新、頑張ってください!!!!!! (2016年2月20日 5時) (レス) id: fa9502f7ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:悠りん | 作成日時:2015年10月31日 8時