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第137話 ページ42

Aが熱を出した翌朝。
「・・・38度・・・上がってるね〜・・・。」
 しんぺい神は困った様に笑いながら、体温計からAに目線を移す。
「ぅー・・・」
Aは力ない声を出しながら、布団に潜り込んでいる。
「今日は授業出れないね。俺家にいるから何かあっても大丈夫だよ。」
「す・・・みま、せ・・・。」
Aが謝ると、しんぺい神は微笑んでAの頭を撫でた。

「A大丈夫ー・・・?」
「熱上がったって聞こえたんすけど・・・。」
「お、新人組。」
 ドアの外から、チーノとショッピが不安そうにAの様子を窺いに来た。
「大丈夫何すか?A・・・。」
「うーん。薬が効かないのか分からないけど、熱が上がっててね。
 まぁ入学して1週間で色々起こったから、それもあるんだろうけどねー。
 と言う事で!兄さんからんらんにお粥作る様言ってきて貰っていい?」
「「はーいっ。」」
しんぺい神に言われて、チーノとショッピはパタパタと廊下を走っていった。

「・・・んふふ。1週間でここまで信用されるとはね〜。」
しんぺい神がそう呟くが、Aは高熱だからか目を閉じていてどうやら眠っているらしい。
「一応皆、警戒はしてたんだよ?グルッペンに何かあったら困るからね。
 でも君はいい子だって分かるから、警戒解けるのも早かったね。
 ・・・君は一体何を隠してるのかな?どうして人を避けてたのかな?
 トントンもグルッペンも知りたがってるよ。・・・君も早く信用してくれないかな・・・。」

「ペ神さーんっ。言って来ましたよー。」
チーノだけが、Aの部屋に戻ってきた。
「あれ?ショッピくんは?」
「兄さんの手伝いと煙草吸いに。」
「成程ねっ。」
しんぺい神に答えながら、チーノはベッドの傍まで来た。
「・・・薬効きにくいんすか?」
「そうみたい。でもなー・・・効きにくくても多少は発熱を防ぐ筈なんだけど・・・。」
しんぺい神は困った様に、顎に手を添えて考える。
チーノは無言でそれを聞きながら、ソッとAの片方の頬に触れる。
「ん・・・。」
するとAは、チーノの手が冷たく感じるのか、冷たさを求めて微かに擦り寄った。
「・・・!?」
Aが手に擦り寄ってきたので、チーノは驚いて固まる。
「あ、チーノくん照れてる〜。」
「へっ!?ち、違いますよ〜っ!」
ニマニマと笑うしんぺい神に、チーノはハッとしてAから手を放してワタワタと手を横に振る。
「(詐欺師が顔真っ赤にしちゃって・・・)」

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年10月15日 2時

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