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第136話 ページ41

「(・・・夢・・・)」
 Aが目を開けると、そこには1週間前から見ている天井が広がっていた。
「(・・・妙に、現実的な夢だったな・・・)」

「あ、起きた。」

「・・・ゾム、さん・・・。」
「おぅ。」
Aが横に顔を向けると、ベッドの傍にはゾムが座っていた。
「大丈夫?飲みモン飲む?」
「・・・少し、ください・・・。」
ゾムに訊かれて、Aはだるいだるい身体を起き上がらせる。
「身体だるいんやな・・・手伝ったるな。」
そう言って、ゾムはAの背中に手を添えて身体を起こすのを手伝った。
「っはぁ・・・ありがとう、ございますっ・・・。」
「(苦しそう・・・身体起こしただけやのに・・・)」
Aは上半身を起こしたが、顔は赤いままで苦しそうに呼吸をしている。
それを見て、ゾムは笑顔から不安そうな顔をする。
「ペ神の薬効いてるんかな・・・悪化してへん・・・?」
「た、ぶん・・・薬、より・・・熱、上がるのが・・・ケホッ・・・先、で・・・。」
「す、すまん先に喋らせたな。はい、飲みモン・・・。」
「あ、りがとうっ・・・ござい、ますっ・・・。」
Aはゾムの手を借りながら、飲み物を飲んで水分補給をした。
「飲んだらまた寝ぇや?辛いやろ?それともお腹空いたか?」
「だ、いじょうぶ・・・です・・・。寝ます・・・。」
Aはそう言って、またモゾモゾと布団の中に入った。

「また寝るまで傍にいたるからな。」
「え・・・?」
「もう夜やし。」
そう言ってゾムが窓を指差すと、窓の外は暗くなっていた。
「で、も・・・明日も、授業・・・あるのでは・・・?」
「朝からないから大丈夫や。ほら、ゆっくり寝ぇよ。」
ゾムがAの頭を、ポンポンと優しく撫でる。
Aはそれに安心したのか、目を閉じて小さな寝息を立てて眠ってしまった。
「・・・元気なってな、ホンマに。」
ゾムはそう呟きながら、Aの傍に居続けた。


「_ゾム、此処に寝るんか?」
「おんっ。」
 Aの様子を見に来たトントンが、ベッドの傍にいるゾムに声をかけた。
ゾムは既にパーカーを着ていて、自前の武器の手入れをしていた。
「せめて毛布かなんか持って来たらどうや。俺Aの様子見とるから。」
「え〜。俺ずっといたいんやけど。」
「お前が風邪ひくとは思ってへんけど、万が一があるからあったかくしてくれ。」
トントンにそう言われるが、ゾムは口を尖らせて動く気がない。
「えーから取って来い。」
「ギャッ。」

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年10月15日 2時

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