【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ40)

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第135話ページ40

「下ろすでー。」
　Aの部屋に来た兄さんは、ベッドにAを寝かせた。
「すみ、ません･･･。」
熱が上がっているのか、Aは少し息を切らしながら兄さんと、布団を持って来てくれたロボロに謝った。
「ええんや。明日は熱が下がってたら一緒に登校しような？」
ロボロがAに布団を掛けながら、優しい声でそう言った。
「は、い･･･。」
Aはだるそうに顔をロボロに向けて、返事をした。
「ゆっくり寝てな？」
「おやすみ、A。」
「おやすみ、なさい･･･。」
兄さんとロボロは微笑んでから、静かにドアを閉めて出て行った。

「(･･･熱出たの･･･久しぶりだな･･･)」
　Aは熱に浮かされたまま、天井を見る。
「(申し訳ないな･･･こんな家に、部屋を貰って･･･休み時間について来て貰って･･･)」
熱の所為なのか、考え方がどんどんと暗くなっていく。
「(人が多くて･･･警戒し続けたから、熱出たのかな･･･まだ弱いな･･･
　強くならなきゃいけないのに･･･師匠みたいな人を、増やさない為に･･･)」
　Aは考えている間に、また目の前が揺れ始める。
「(まただ･･･駄目だ･･･泣いちゃ駄目だ･･･)」
Aはそう考えて、ロボロが持って来た布団に潜り込む。
「･･･ししょう･･･」

　『＿なぁ、A。』

　寝ていた筈なのに、自分は立っていて、向かい側には微笑んでいる男がいて話しかけてきた。

　『Aは、周りの人達と一緒に暮らしたいか？』

「･･･分からない･･･。」

　『じゃあ、俺の事忘れたい？』

「！そんな事ないっ。師匠は私の恩人だもんっ！」

　『･･･うん。A、"俺の故郷"には気をつけてくれ。』

「･･･？何で･･･？」

　『･･･まだ、伝えられない･･･。ごめんな、A。
　本当はずっと一緒にいて、お前とそっちに行く筈だったのに。』

「！し、しょうっ。謝らないでっ、私が弱かったから･･･！！」

　『･･･A･･･俺はAを、責めたりしないから･･･
　だから、どうか俺の事は気にせずに、自分がやりたい事をやってくれ。』

「やりたい事なんて、私にはっ･･･あっ、師匠ッ･･･！！」

　消えて行く男に、顔を顰める。
　『A･･･出来た仲間を、信用するんだ。俺以外にも･･･頼れる奴･･･を見つけ･･･』

「師匠ッ！！」

　伸ばした手は虚しく、空を切った。