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第97話 ページ2

食事会が終わり、グループ別に分かれて大食堂から離れた。
A達は一旦家に帰って、動きやすい服装に着替える事にした。
「そう言えばAちゃん、クエストに行く用の服とかあるん?」
「・・・。」
「Aちゃん???」
オスマンに訊かれて、Aがオスマンから顔を背ける。
「まさかとは思うけど・・・俺が服買ってあげる前に着てた、あの服以外ないとか言わないよね?」
「・・・。」
「そう言えばくたびれてたし、こびりついた汚れもあったなぁ・・・?」
「・・・あれしか・・・ない、です・・・。」
オスマンに近づかれて圧を感じ、Aは俯いたまま小さい声で返事をした。

「ロボロの服貸してあげたら?サイズ的に同じ位やろ?」
「だぁれが小さいや!!」
ゾムに言われて、ロボロが両手を振って怒る。
「でも特殊やない?ロボロの服。」
「?そう・・・何です、か・・・?」
「そう。遠い国の服やから、慣れてない服装で行くのは危ないやろ。」
鬱の言葉に、全員が納得してどうするか悩む。
「とりあえず今は持ってる服で行けばいいんじゃない?
 クエスト行ってお金貰ったら買いに行こうよ。」
「んー・・・まぁ及第点かなぁ・・・。」
ひとらんの提案に、オスマンは少し顔を顰めながら妥協していた。
「決まりだね。Aはもうクエストに集中してていいよ。」
「あ、りがとう・・・ございます・・・。」
Aがお礼を言うと、ひとらんは微笑んだ。


「うーし。準備はいいかーBランク共ー。」
「「「「うーい。」」」」
「(格好がラフな方々が・・・)」
家に帰って準備をしたAは、先にトントンと玄関で待っていた。
他のクエストに行く3人は、それぞれ違う格好をしていた。
鬱はスーツを着ている。
シャオロンはオーバーオールを着ていて、コネシマに至っては半袖短パンという格好である。
「トンちやっぱその服がしっくりくるわ。」
「せやろ。」
鬱に言われたトントンは、軍服を着ている。
「(・・・軍服、格好いいな・・・)」
Aはそう思いながら、自分が元々持っていた服を見ていた。
「じゃあもっかい学園行くでー。」
「クエスト・・・学園で、受けられるんですね・・・。」
「うん。細かいのは行ってから説明するな。」
「はい・・・。」
「「「いってきまーす!」」」
トントンを先頭に、5人は家を出た。

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年10月15日 2時

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