影の少女は笑わない【黒子のバスケ】 (ページ24)

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さて、何故こうなったのだろうか。
隣には、鮮やかな赤い髪色の友人。肩を貸して貰っている。
何も会話がなかった

「………」
「………」

会話がないため窓の外の音がうるさい。雨は先程よりも弱くはなってきたが、雷はまだ止まりそうにない。

ゴロゴロゴロゴロッ

ビクッとおもわず反応する。
私の反応に赤司は気付いたのか、多分バレないように笑っていた。

「おい、笑うな」
「ごめん。ふふ……」

と言うか、赤司の笑った顔なんて初めてじゃないか。
何時もはつまらなさそうに笑っている顔。

「そっちの方がいいぞ」

「………？」

赤司は何を言われてるのか分からない。そんな顔をしていた。
自覚がないのだろうな、昔は今みたいに笑ってたのに

「赤司、お前は強い。だからこそ、お前は気付かない」

「A、何を言っている。僕のやることは全て正しい」

「何回も聞いたぞ、そのセリフ。たまには違うことでも言ってみろ。
………だからお前は気付かないんだ」

ゆったりと私のペースに合わせてくれるのはきっと無自覚だろうな。
確かに赤司は人気である。というか帝王だな、一番この表現が合う

彼の家庭事情は分からないが、私達と同じ様なものだろう。
私達は檻の中にいる。どう足掻いても抜け出せない透明な檻
鍵を持っている赤司と、道に迷っている赤司。

「どちらが本当のお前なんだ」

ボソ、と呟いた事はどうやら聞こえなかったようだ。
窓は黒く染まり、何時も鮮やかに魅せてくれる空は何処にもいない。
廊下も窓と同様黒く染まっていて、教室なんて見えなくなった。

「もうここでいい。……感謝する赤司」

緑色の電話ぼっくすの前についたので、肩から手を離し軽く地面に片足をつかせる
礼を言うと赤司は苦笑したような、複雑な表情をした。

「それでは今日は部活を早退させて貰う」

「ああ」

元の道を引き返す赤司を呼び止めて、私は言った

「また明日な」