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表Aside
入団して1年半
陰口はなくなる事はなく
内容はどんどん追加されているようだった
とはいえ、どれも事実なので
私は反論なんてできるわけもなく
ただ心が軋む感覚に耐えるだけだった
そんな中でも
3人は私に優しかった
ウィルやカトリーヌが居る時には
聞こえない陰口
カールはまだまだ立場が弱いせいか
カールの前では堂々とみんなが話すらしく
カールだけが
3人の中で浮かない顔をして心配してくれているのを
私は知っていた
だからここ最近は
今まで以上に4人で一緒に居ることが増えて
カールも私もその時だけは安心していた
時が経つにつれ
AKUMAは徐々に強く、数も増えていくのを感じていた
比例するように
犠牲者も増え、次第に任務に行ってそのまま戻ってこれない状況が続いた
カ「もう2週間ね、、、」
そうポロっと口にしたのは
任務地で野営をするため夕食を作っていたカトリーヌだった
近々AKUMAの大群が通過する
そう連絡を受けて
別の任務地からこちらに急いできた私たちは
そこで数日、他のファインダーやエクソシストと
足止めされることになったのだ
『近々って言ってたのに
全く来る気配ないんだけど、、、場所間違えてるとか?』
ウィ「さぁな、俺達には
詳しい戦況教えてくれねぇからわからねぇ」
よくあることではあったのだが
戦力にならない私たちに戦況を話してくれない人が居る
どうせ話したところで何もできないだろうと
そういわれてしまえば返す言葉もない
カール「腹は立たないんですか?」
『どうして?
言われてることは間違ってないじゃない?』
カール「ですが、状況によっては
情報がないのは命に関わりますよ?」
『でも私たちは一番後方で待機なんだし
私たちが死ぬ時には、この集団は全滅よ?』
カール「確かに、、、そうなんですけど、、、」
私よりも悔しそうにしているカールは
本当に優しいんだろう
私がみんなから厄介者扱いされているわけで
カールが悲しむことはないのに
『私は、ウィルやカトリーヌ、カールが死ななければ
どんな扱いをされても大丈夫』
悲しいと思う時もあるし
情けなくてひとり泣いてしまう時もある
逃げ出したくて叫びたくなる時もある
でもその感情を隠せているのは
3人が私のそばにいてくれるおかげだ
だから大丈夫なんだと
そう言い聞かせて
私は3人に笑いかけた
.
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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年8月4日 17時