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表Aside





入団して半年もたてば
助けることができなかった人は居る




教団の人間は勿論のこと
AKUMAの被害にあった一般人も含まれる



後数分早く駆け付けられれば助けることができた命が
どれほどあっただろうか




到着した時、泣いている仲間や人を見るのは
いつまで経っても慣れることはないんだと思う





ほんの1週間前
私が向かった任務では
そんなやるせない思いを抱えていたファインダーから
私はとうとう非難を浴びることとなったのだ





任務を受けて汽車に乗り、現地に着いた時には
AKUMAはもうエクソシストに倒されていた



運よく街からは少し離れた場所での戦闘だったため
一般人への被害こそなかったものの
ファインダーのひとりが大ケガをして
私が近寄って手を握った時には殆ど息をしていなかった




「助かりますよね?大丈夫ですよね?」




仲が良かったのか
涙ながらに私に縋りつくもうひとりのファインダーに
私は大丈夫ということができなかった




私のイノセンスは一瞬で傷を治してしまう


でも体力が残ってなくて血が不足している場合
私がいくらイノセンスを使っても助からないこともあった




瀕死のファインダーはどう見ても血を流しすぎていて
このまま傷をふさいでも出血多量で助からないかもしれないと
素人ながらに思った



でも、息をしている以上
間に合ってほしいという思いで
私はイノセンスを発動させた




赤い光がファインダーを包んで数秒
いつもより長く光り続けるイノセンスに
周囲が不安そうな表情に変わる



『、、、だめです』




血も足りなければ、治癒できるほどの体力も残ってない



私が手を離すと同時に肩に痛みが走った
泣いていたファインダーに思いっきり肩を掴まれたのだ




「なんでだっ!まだ息しているじゃないか!!
生きていれば治せるんだろう!?」



初めての事に恐怖した




『あ、いえ、、、イノセンスも万能じゃなくて、、、』




「エクソシストなんだろ!!
治療しかできないんだろう!なんとかしろよっ!!」





手の力が強くなって肩がひどく痛い




治療しかできない



そんなこと今更言われなくたって
私が一番わかってる



でも、治せないのは
どうしようもないじゃないか




「エクソシストなんだろ、、、、助けてくれよ、、、、」




崩れ落ちるファインダーに
何も、言うことができなかった




そんな私たちの横で
傷ついたファインダーは静かに息を引きとったのだ








.

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作者名:ゆーな | 作成日時:2020年8月4日 17時

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