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道化師の仮面の裏には ページ8

「Amazing‼」

高らかに笑いながらそんなことを言う人は一人しかいない。
教室の中から窓の外を覗けば、そこにはやっぱり日々樹くんが居た。
日々樹渉くん、私の想い人。
中庭で真っ赤な薔薇を撒き散らしている。

「楽しそう…」

彼はいつも周りの人を笑顔にする。
彼が今、一輪の薔薇を差し出しているのは、プロデュース科のあんずちゃん。
やっぱり日々樹くんもあんずちゃんのこと好きなのかな。
あの子可愛いし、面白いし、頑張り屋さんだし。
惹かれる要素しか無いよね。

「っ、うっ…」

突然喉を襲う圧迫感。
咳き込むと同時に吐き出される花弁。

黄色い薔薇だ。
たしか花言葉は…

「『嫉妬』だろう?」

先程まで一人だけだと思っていた教室に、私以外の声が聞こえて慌てて振り返る。
そこに居たのは、

「天祥院くん…」

扉にもたれ掛かってこちらを見ている彼は、
私が今吐いた花に驚きもせずそう言った。

「あの、」
「こんな時間に何をしているんですか、英智?」

私が言おうとした言葉を遮るようにもう一つの声が響く。
紛れもない、日々樹くんだ。

彼の声を聞くだけで心臓がきゅっと締め付けられた。
それと同時に喉の奥から何かがこみ上げてくる感じが蘇る。

「Aさんも一緒でしたか…☆」

こちらに近づいてくる彼から見えないように、黄色い薔薇を隠す。
誤魔化すように笑顔で頷いた。

「おっと、敬人に呼ばてしまったみたいだ。僕は行くね、また明日。」

結局彼がここに来た理由はイマイチ分からないまま、天祥院くんは教室を去っていった。

▽→←毒に焦がれて



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設定タグ:あんスタ , あんさんぶるスターズ   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:合作 x他5人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年12月18日 22時

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