夜の月 ページ28
「なあ、セブ」
ベットの上から同室の彼を呼んでも声が帰ってくることはない。
目線をそちらに向けると黙々と何かを調合してる彼の姿が目に入る。
地下ではよく分からないが腹の虫が先程から疼き出してきたので、きっと外はもう暗くなり始めていることだろう。
なら、この腹の虫を抑えるために食事をしに行かねばならない。
「…」
『A、悪い、私は腹は既に満たしてる』
ラスマの方をじっと見てると感じ取ってくれたようで申し訳なさそうに謝ってきたので首を横に振る。
元々俺が勇気を出せてないだけだし……
だけど、調合してる途中のセブルスに声をかけると普段の彼より何倍も機嫌の悪い彼が生まれる。
それは避けたいので、彼に一言、断りを入れてから部屋を出る。
…今となっては彼の気持ちを組んで動いたのが仇になった気がする。
「ようエバンズ、遊ぼうぜ」
またこいつらに絡まれるなんて思ってなかったからな。
相手はこの前ジェームズ達が半ば脅す形で俺から遠ざけていたこのスリザリンの先輩達。
なんであんな目にあったのに俺にまだ付きまとうんだろうか。
「知らねぇよ、飯食い損ねるぞ」
とりあえずこいつらには関わりたくない。
思わず態度が悪くなり、無視して横を通り過ぎようとした俺の肩を壁へと押し付ける。
ミシッと骨が軋むような音の鳴った俺は思わず、袖の杖を取り出そうとした。
それが良くいけなかった、相手に自分が攻撃の意思がある事を知られた。
「おいおい、それが先輩に対する態度か？アァ！？」
腹に一発、重い一撃が入る。
口から涎か胃液かよく分からない物が杖とともに地面に落ちる。
おい…魔法学校の生徒なら魔法使えよ…
なんて悪態をつくも心の声が実際の言葉になることは叶わなかった。
ずるりと力が入らない身体が壁に沿って崩れ落ちていく。
意識を失う中で思わず頭に浮かんだのはどこかで騒いでるであろう四人の友や呆れながらそれを見てる姉、それにさっきまで薬を一生懸命作ってた同室の彼の姿だった。
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八神(プロフ) - ああさん» ……ああ！？本当ですね……修復が難しい流れなのでキャプション記載させていただきます。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月9日 22時) (
レス) id: 5d49f427fa (このIDを非表示/違反報告)
ああ - あの、組分けの時って苗字順に呼ばれるじゃなかったですっけ？ (2019年11月4日 11時) (レス) id: a72da57039 (このIDを非表示/違反報告)
LN - 楽しみにしてる、いい作品だね！こういうのハリポタだと珍しいから頑張って！ (2019年5月27日 0時) (レス) id: 33cdc0490e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八神 | 作成日時：2018年12月21日 21時
