夜の月(2) ページ29
「…先に行くぞ、セブ」
そう言ってAは私と何かを調合している少年を部屋に置き去りにする。
それを見て移動し始める。
窓がないとはいえ、地下はやたらと寒く感じる。
土の中にあるのだから当たり前ではあるが。
Aが去った後のベッドに身体を預けてみるが、既に半分以上の温もりがなくなってしまってる。
私の体温で更に冷めてしまった。
彼はまだ気候や気温などを調節出来る魔法を会得してないと言っていた。
私はというとまだマシな温度を探してするりと彼の傍による。
「…邪魔をするな」
分かりきってる事に答える筋合いはないさ。
忙しなく動く君の手の動きが止まった瞬間に巻きついたに決まってるだろう？
調合は難しいと知っているからね。
これでも人の子より長く生きてるんだ。多くを知ってるさ。
君の手が止まる瞬間はこれが完成した時のみだ。
さあ君の愛しい彼が既に食堂で待ってるはずだ。
舌をちろちろ覗かせてみると、彼は深く溜息を吐いて席を立つ。
と同時に私をAのベッドに放り投げる。
おやなんだい…？せっかく気を利かせたというのに八つ当たりかな。
彼は手に杖を持ち、口元で何か呪文を唱えた。
周りが暖かな空気で覆われる。
ふふ、素直じゃないなぁ。
ありがとう、と伝わない言葉で伝えると彼は部屋を出ていく。
…でも、今は寝ているつもりはない。
先程から何やら胸騒ぎが続いているんだ。
私の、Aに何かあったに違いない。
あの子は何かと面倒事に巻き込まれやすいからね。
あんまり人前に出るなとは言われてるけど、気にせずに食堂に向かった彼の背を追いかけた。
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八神(プロフ) - ああさん» ……ああ！？本当ですね……修復が難しい流れなのでキャプション記載させていただきます。ご指摘ありがとうございます。 (2019年11月9日 22時) (
レス) id: 5d49f427fa (このIDを非表示/違反報告)
ああ - あの、組分けの時って苗字順に呼ばれるじゃなかったですっけ？ (2019年11月4日 11時) (レス) id: a72da57039 (このIDを非表示/違反報告)
LN - 楽しみにしてる、いい作品だね！こういうのハリポタだと珍しいから頑張って！ (2019年5月27日 0時) (レス) id: 33cdc0490e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八神 | 作成日時：2018年12月21日 21時
