これを恋というのなら【瀬名泉】 (ページ2)

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bad memory ページ2

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ふと、目が覚めた。

頭を上げて広がった景色はいつもの“夢ノ咲学院”の教室。

来ているのはそこの3年生の制服だった

＿嗚呼、何だか懐かしい夢を見てしまっていた。

ゆっくりと背を伸ばし、立ち上がる。

時計を見るとかなり遅い時間だったが、幸いにも今日はKnightsのレッスンはなかった。

少しほっとして、教室から出る。

耳をすますと、微かにレッスンをしていると感じられるリズムやらステップやらが聞こえてくる。

うちの王さまだったらこれで霊感も湧いちゃうんだろうな…なんて。

そういえば、偶然か運命か、Aと王さまには“作曲”という共通点があった。

まぁ、奇想天外だったり子供っぽいってとこもだけど。

だから、王さまのことを見てるとふいにあいつと重なってしまう。
王さまが笑うと、あいつの笑顔と重なる。
王さまが泣くと、あいつの涙と重なる。

王さまとのジャッジメントのとき、何故か“あいつ”のことまで救った気になってしまった。

そんなことないのに。

元はと言えば、王さまと絡み始めたのも“あいつ”に似ていたから、という理由だってあった。

そんなことを考えていくと、俺は最低な人間なんだなって実感する。

もう、あいつはこの世にいないのに。
いつまでも縋りついて、挙句の果てには別人をあいつとかさねてしまって、

…だから、俺が今でもあいつに抱いている感情を、自覚する資格なんてない。
自覚なんてしてしまったら、俺はきっと立ち直れないから。

それくらい、俺は弱いから。

せめて、あいつとの思い出は綺麗なままにしたい。

少しでも、あいつは俺といた時くらいは幸せだったって思ってたいから。

決して悪い思い出なんかにはしたくないから。

俺は、自分の心に蓋をして、校舎から出た