ちょっとちょっと、太宰さん！？ストップストップ！！【文スト】

こネタ ページ39

『ええ、もちろん！ 同じ階で、空間で仕事してますし。こうやって一緒に外出してくれるし、帰り一緒に帰ってくれますし...！！』

「・・・・・・」

　帰り道に関しては、『太宰さんの護衛です！』と云って付いて来るAを、どうせ同じ場所(社員寮)に帰るのだし、多少鬱陶しくても止める方が面倒だ。と太宰が投げ出した結果だった。
　実際、本当に付いて来るだけで、それはそれで鬱陶しいものだが、話かけられることは滅多になかった。実害はないし、撒きたい時はいつでも撒けるからと、太宰本人厭ではなかった。

『太宰さん？ 大丈夫ですか？ 太宰さーーん！』

「...帰ろうか。そろそろ国木田君が五月蠅そうだ。」

　先程から延々と衣嚢(ポケット)で震えている携帯電話を取り出し太宰が云う。

『はい！』

　太宰は判っていた。己が貰った物を蔑ろにしてきた故に、Aが贈り物を控えていた事。蔑ろにされるのが厭だったと、正直に云う事は出来ないから、事実を明かさない真実を述べるという事。

　それでも、静かに耳を傾けていたのは、果たして何かを期待していたのか。

　いや、ただ単純な自分の思考と事実の答え合わせ。

　でも、彼女の言葉で、声で、聴きたかっただけかもしれない。


　番外編：無言の命綱 Fin

—————————
明日か、明後日に閑話です。

本編はまだか！ まだです

質問コーナーは？ 次です！！(明日か明後日の閑話)

閑話（コメ返あり！）→←こネタ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す