ちょっとちょっと、太宰さん！？ストップストップ！！【文スト】

こ・ネ・タ ページ28

「例えば、その花を貰ったとして、それを世話するのは誰？」

　確かに、太宰さんが自ら花の世話をするとは考えにくい。
花は気持ちを表すものだから、贈る役割を終えたなら捨ててもらっても構わない。
　だがしかし、捨てられている花を見るのは少々...否かなり...(社員寮のゴミ収集場所は、一緒である)

「世話があんまり必要ないものがいいんじゃない？」

『そうですね、そうします。ありがとうございました！』

　花屋の店員さんに訊きながら決めてみよう。

「すとーーっぷ！！ A、もしかして僕に助言してもらったのに、何もしない心算(つもり)？」

『うぅ、ご要望は何でしょうか。』

「羊羹と林檎とポテトチップね！ ああ、後、飲み物は緑茶の気分」

　果たして店員さんと話し込む時間はあるのか

「急がなくていいよ、今はこれ食べてるから。」

　といって和三盆をかかげる乱歩さん。
次々出てくるな、お菓子。ちゃんと味わってるのかな。

「今日はスーパーの安いやつでも許してあげる。」

『ありがとうございます。随分と上機嫌ですね？ なにかあったんですか？』

「ふっふふー、実は明日、社長が僕の喜ぶところに連れて行ってくれるって云うんだ」

『なるほど、気をつけてくださいね。』

　さぁ、いざ行かん。獲物狩り！！

・

・

　西洋菓子(ケーキ)も世話の少ない植物も、手紙も準備完了！ 太宰さんも事務机に居る！ 人も少ない、好条件！
なのだけど・・・ 話しかける勇気が出ない！！

　ばかたれ、何時もの勢いは如何した！

　よし！

『太宰さん！ お誕生日おめでとうございます！！』

　西洋菓子と植物を机の上に置いた。手紙はまだ手に持ったまま。

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