この恋に気付いて【おそ松さん】 (ページ15)

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そんな風に思いながら過ごしていたある日のこと。

いつものようにAがきた。

「あれ？珍しいね2人？」

僕と十四松しか居間にいないのを見て、入ってきたAは驚いた声をした。

「おそ松兄さんとカラ松兄さんは家にいるよ」

「探してみる」といってAは居間から出ていった。

しばらくして。

十四松は、カラ松を探しに出た。

(僕も二階に行こうかな)

襖を開けたそのときだった。

かすかに、階段のほうからAの声が聞こえた。おそ松兄さんの声も聞こえる。

とっさに、柱の陰にかくれた。

おそ松兄さんが、Aの手首をつかんでいるのが見えた。

じゃれ合っているのとは違う、甘い空気にドキッとする。

次の瞬間、おそ松兄さんが、Aに唇を重ねた。

いけないとは思いつつ、僕はどうしても目が離せなかった。

それは、僕にはとても、とても長く感じられた。

(やっぱり……)

耐えきれなくて背を向けたとき、Aの意外な言葉が耳に入った。

「やめてよ。誰かに見られたら説明のしようがないでしょ」

「だーいじょうぶだって。な？」

「『な？』じゃない！これ以上はしないから！」

「ケチ。正直に言ってもよくない？」

「聞かされたほうも困るじゃん」