特別な私の皇帝2【野坂悠馬】

特別編 お礼の品 ページ49

今はハオくんたち中国と試合する前日の夜。稲森と光が用があるって言ったから来たのになぜか焦ってた。



｢どうしようどうしよう！？｣



稲森がずっとぐるぐる走って慌ててる。



｢何かいいのがあるかな？｣



光は冷静。



『…で、2人は何がしたかったの？』



｢あ、あのね！一星が言いだしたんだよ！｣



｢明日人くんもだよね！？
まぁ、俺が最初ですけど…。Aさんにはお世話になったので、何かしようと…｣



｢まだ何もできてない…｣



『内容は？』



｢…ない｣



じゃあなんのためにわざわざ呼んだ？はやく寝て朝練習しようと思ってたのに。



｢でも、何か食べ物を作ろうと思ってました｣



｢あっー！決まったよ、一星！Aの好きな食べ物！チョコレートケーキ！｣



『作ってくれるの！？』



誰が作っててもいいから食べたい。美味しくなくても美味しい気がするし。



｢頑張ります！Aさんのためですから｣



『でもさ、 材料とかレシピとかは？ヨネさんの許可もとらないと』



｢あー…今から行ってくるからAは部屋で待ってて！｣



稲森と光はあたふたしながら走ってく。あの2人で大丈夫？難しいのに。





そして3時間後、夜の10時。はやく寝たいのにな…。



｢Aー！できたよ！｣



稲森が呼びにきて、食堂に行った。



『おつかれ』



｢上手にできてるかは分からないですけど、どうぞ｣



光がチョコレートケーキを差し出す。



『すごい！見た目めっちゃきれい』



表面はツヤツヤ。ザッハトルテを作ってくれるなんて思わなかった。



｢Aさんには無礼なこともしてしまったので…本当にすみません。こんなのしか俺にはできないです｣



無礼っていうのはオーストリア戦が終わった日の夜のことだろうな。



『全然すごいって。びっくりしたけど大丈夫』



｢え？なんのこと？｣



｢あ、明日人くんはいいから！Aさん、どうぞ｣



ザッハトルテを食べてみる。断面も結構きれいだし、美味しそう。



『美味しい』



｢本当ですか？無理しなくていいんですよ？｣



『ほんとだよ。すっごい美味しいって！』



ザッハトルテは初めて食べたけど、こんな濃厚なんだ。やっぱ甘くていいなー。



｢A、コーヒーも好きなんでしょ？はい、すっごく甘いの｣



『2人とも、…ありがとう』



お礼はまだ慣れないけど、暖かく感じる。



これが仲間だ。

〜続編のお知らせ〜→←カッパ議論

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

世界編メンバー

一星光

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す