特別な私の皇帝2【野坂悠馬】

野坂の意外性 ページ27

試合が終わって、ロッカールームで話してた。中心はもちろん野坂。



『野坂がいたから勝てたよな。
…ありがとう』



普段めったに言わないことを言ったせいで、野坂もだし、一緒に話してた稲森たちも固まった。



『な、なんだよ、悪いかよ…！』



「Aがお礼言うなんて意外だって思って…。ふふっ」



「野坂にだけデレデレだな、お前」



稲森ひど！笑うって！灰崎はやっぱムカつく…。ばれたらどうしてくれるんだ。



『もーう！いいだろ別に！私だってお礼くらいするし！
てか灰崎なんだよ、全然違げーから！』



「俺は事実しか言ってねーよ」



『事実じゃないっつーの！』



「杏奈ちゃん、Aちゃんって灰崎くんとも仲が良いんだね」



つくしが何気なく言ったことが、私たちに火をつけた。



『「仲良くねーよ！」』



「仲は良くないと思いますけど、息はぴったりです」



これじゃ灰崎とヒロトと同じことになってんじゃん…。絶対違うのに。



「怒らないで。僕はお礼を言ってくれて嬉しいから」



余計なこと言うな、ってアイコンタクトしてスルーした。ばれたくないって言ったのに。



そのとき、FFI管理の人が入って、野坂のロッカーを調べ始めた。



鬼道さんと同じ手だけど、野坂は知らないからか…。



管理の人はケースを出して、中身を見る。




野坂も代表失格になるのかと心配したとき、それは良い意味で裏切られた。



中身は色んな色のなんか。



「チョコマーブルです」



『ちょこまーぶる？何それ』



「チョコレートだよ。はい」



つぶつぶしたやつを食べると、めっちゃ甘ったるい。試合後にはちょうどいいけど。





とにかく、よく分かんないけど、野坂の代表失格はなしになった。

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