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第205話 ページ5





試合はゲームカウント6-5、日本が1ゲーム遅れをとっている者の、両チーム一歩も譲らない試合が行われていた。

攻める不二と対照的に、体力の限界を思わせる仁王。ラリーの末不二があげてしまったロブに喰らいついたマックはスマッシュを打ち込んだ。



「トリプルカウンター、羆落とし。」



そのスマッシュは不二のトリプルカウンターによって返される。ドイツ戦で守るテニスを辞めたはずの不二が、今は積極的にトリプルカウンターを使っている。それもきっと仁王をカバーするためだ。

そんなしぶとさに、「あんたら凄ぇースから最後にもっと速いヤツ見せたげるっス!」と叫んだミルキーがサーブトスをあげる。



Neutrino!(ニュートリノ)



タキオンより速いサーブ――しかし、既に体力が尽きたかと思われていた仁王はそれにしっかり反応した。それに驚いて目を見開けば、"ある真実"が見えてくる。



「スケスケだぜ。」



相手選手2人の死角にしっかりとボールがたたきつけられたと同時に、Aは「嘘……。」と思わず意識せずにこぼした。

コートに立っていたのは不二と仁王ではな。不二と跡部だったのだ。



「おや……俺様の好きなタイブレークじゃねーの。」
「跡部が仁王に成りすまし戦っていた!?」



予想も出来なかった展開にずっと見開いていた目を力なく緩めて、思わずあっけに取られた表情になる。確かに奇想天外な作戦ではあるが、あまりその意図は掴めない。



「跡部クンは別の誰かと戦っているのかも。」



誰も行動の理由が分かっていない中、入江は何かを理解しているようにそっと呟いた。




タイブレークが大の得意分野である跡部の攻めは続き、試合は長く長く続いた。タキオンを止めることもできず、互いに譲らない試合。いつしか得点は137-137にまでなっていた。


更に試合が流れ、ミルキーがタキオンを打つ構えに入る。レシーバーである不二は集中した面持ちでそれを見つめている。タキオンさえ返すことが出来ればここでマッチポイントだ。

頑張れ、そう思った刹那ボールは返球されていた。何が起こったか分からず頭が追いつかない。




風の攻撃技(クリティカルウインド)のひとつ、光風。――そして僕の時間は動き始める。」




ただひとついえること、それは一瞬時が止まったかのように思えたあの一瞬に不二がタキオンを見極め、返したという事だ。

これにより147-146、ついに日本のマッチポイントとなった。






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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品!夢主ちゃん格好可愛いすぎます! (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します!読んでいて,とても面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2019年3月18日 0時

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