第２０６話 ページ6
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「光風……。」
「凄いね、彼。流石は天才と呼ばれるだけある。」
Aはあっけに取られた面持ちでモニターに映る不二を見つめる。入江からの言葉に小さく頷いて、ひしひしと沸き立ってきたのは面白いという感情。いつか試合をしてみたいな、なんて考えると緩む頬を押さえられない。
同年代の選手のプレーは強い刺激になる。そしてそれは不二に決まったことではなく、コートに立つもうひとりの彼にも言えることだろう。
ラストになりえるプレーの開始は跡部のサーブ。サーブトスから感じられた妙な感覚は、そのサーブが放たれて確信に変わった。ありえないほどに速く、強く、まるで波動のようなものすら感じられるサーブだ。
会場のライトが次々に割れてガラスが降り注ぐ。画面越しにでも体がそのサーブを感じ、Aは体をぶるりと震わせた。
「
「ゲームセット！ウォンバイ日本、7-6！」
長いタイブレークは終わりを向かえ、日本の勝利が確定した。これでオーストラリアから2勝をもぎとったことになる。あと1勝、相手はエース風の男が出る様子だ。
日本も鬼が出るのが合理的な場面である。「鬼さんの出番ですかね？」とAが入江や徳川を見上げれば、「いや……。」と入江が面白そうに目を細め、モニターを見つめた。
「彼が出るみたいだね。」
Aも視線をモニターに向ける。コートに出てきたのは遠山だった。
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「凄いなアイツ……天衣無縫と互角に戦ってやがる。」
相手のエースドルギアスと遠山の試合は3-3の場面まで来ていた。天衣無縫の状態で打ち合う遠山にドルギアスは必死に喰らいついている。
ここまではどうにか互角の試合を繰り広げていたドルギアスだったが、少しずつ天衣無縫との差がスコアとプレーに表れ始めた。ミスが目立つようになり、遠山はどんどん差を広げていく。
「ゲーム日本、5-3！」というコールがかけられた。ドルギアスは膝に手をついて肩で息をしているけれど、対する遠山に疲労は見られなかった。たとえどれだけ技術のある選手だろうと、大きな得点差でもつけておかない限り素では天衣無縫に敵わない。
自尊心が傷つけらた様子のドルギアスは、「クソ！！」とラケットを何度もコートに叩き付けた。徐々に曲がっていくラケットを見る気分は良くない。
あからさまなまでに不機嫌なAを、入江は「まあまあ。」と笑ってなだめた。
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紗菜 - アニメがまた、スタートするのでこちらも更新されるのをお待ちしています。 (2月15日 19時) (
レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき - 続きが楽しみです (2021年9月22日 0時) (レス) id: 09253d858e (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - 素晴らしい作品！夢主ちゃん格好可愛いすぎます！ (2021年1月3日 15時) (レス) id: 0e780aa7b5 (このIDを非表示/違反報告)
巫和泉(プロフ) - コメント失礼します！読んでいて，とても面白かったです！更新楽しみにしてます！ (2020年1月4日 18時) (レス) id: c314aa38cf (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - 更新待ってます!続きが楽しみです。 (2019年11月7日 8時) (レス) id: 567a821487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤兎リエ輔
| 作者ホームページ：http://nekomoti
作成日時：2019年3月18日 0時
