イナダンテレフォンネタ 霧野 ページ10
「……っふ、くくくく……」
「Aさんマジでいい加減にしてもらえます……??」
「だ、だって、霧野が、ジンのトリトーンをあっさり湖に墜落させるから……ふ、あっははは!!」
「Aさん!!!!」
目尻を釣り上げて、怒り半分照れ半分と言った様子で顔を赤くしている霧野に、私は先程の出来事を思い出し、再び笑いがこみあげてくるのを堪えていた。(堪えれてない)
ジンのLBX、トリトーンを触らせてもらっていた霧野だったのだが、なんと操縦が、驚く程に下手だったのだ。操作していた霧野は何とか仕切り直そうと慌ててしまい、滅茶苦茶なボタン操作を行った結果、トリトーンはあらぬ方角へと飛んでいき、ぽちゃん、と音を立てて湖に墜落したのだった。哀れトリトーン、君のことは忘れない。
これには流石のクールガイのジンも微妙な表情を浮かべ、必死に謝る霧野を宥めていた。
一連の流れを見て一番盛大に笑っていたのは狩屋だったのだが、それに気づいた霧野にしばらく追い回されていた。
「いや、ふは、ごめんってば、だってあまりにも予想外だったから…くっ…ふふ……」
「どういうことですかそれは……」
さっきまでの私の対応がお気に召していないようで、未だジト目でこちらを見やる霧野に、この際だから思ったことを言ってやった。
「いや、だって霧野、大体のことはそつなくこなしそうじゃないか。意外と不器用だったのな、ふふ、かーわいい。」
「……先輩?」
"かわいい"という単語に反応したのか、一気にその表情が恐ろしくイイ笑顔に変わった。但し、目は据わっている。すう、と熱が引いていって、その色にふさわしい冷気すら感じた。
あれこの表情私どっかで見たぞ。こいつと同じで名前に"丸"が付くやつもこんな顔してたような。
甦る……"御剣?"と私を呼び、目が据わったままニコリと笑いながら私の背を潰さんと頭を押してくるあのマジギレ手前の青い般若の姿が……
「いや、霧野、勘違いしてもらっちゃ困るんだけど、そういう可愛いじゃなくて、後輩としてかわいいってことだから、お前の見た目に関しては今回一切触れてないから。」
「……まあ、先輩が人の地雷踏み抜くなんていつもの事ですしね。」
「何気に君、私に対して辛辣よな。」
まあ否定はしないんだけどね!!と開き直るとさらに呆れたような目で見られた。
「いや、そもそも私、後輩は皆可愛いって思うし、皆等しく平等にいじりたいって思ってるし。」
「後ろのやつは結構です、全力で拒否します。」
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弓女雅零(プロフ) - こっちにも来ちゃいました(笑)やっぱりこの小説好きですっ!! (2019年2月25日 17時) (レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - リアトさん» リアトさん、はじめまして!コメントありがとうごさいます!ご指摘ありがとうございます!確認次第訂正いたします! (2019年2月15日 20時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
リアト(プロフ) - こんばんは。いつも展開をドキドキしながら読ませて頂いてます。ところで誤字報告を少し。>「確かに何人か俺にチョコらしきものを私に来た女子がいた。」これは「渡し」ではないかと思いまして報告させて頂きました。次話、お待ちしております。 (2019年2月15日 20時) (レス) id: 809030045e (このIDを非表示/違反報告)
七瀬真昼 - 分かりました!!というか返信してくれてありがとうございます!毎回毎回ご丁寧に…。私だったら返信しないまま放置ですよ多分。そういえばふと思ったんですが、次のイナオリで子文くんの正体が明らかになりますよね!見当ついてるけど…ゆきさんは分かりますよね! (2019年1月27日 17時) (レス) id: 60ce0b2030 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 七瀬真昼さん» 七瀬さんコメントありがとうございます!リクエスト、大変ありがたいお話なのですが、私事で大変申し訳ないのですが、モチベの関係で受け付けてないんですよ…本当にごめんなさい…でもバレンタインのお話は元々書く予定でしたので、そちらの方を是非見て頂ければ… (2019年1月27日 17時) (レス) id: a67af18030 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年12月17日 23時