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「この呪霊が私に憑いた理由がまだよく分からないんです。私の呪力を取り込んでるから、それで懐いてるんだろうって言われて、てっきり呪力目当てで憑かれたんだと思ってたんですけど…」
それが、今きっぱりと否定されてしまった。
ずっと思っている。私はどうしたら良い、と。
呪霊は本当に祓えるのかわからない。
できたとして、この呪霊を祓ってはい終わり、じゃない。自分の持っている力のことも考えなきゃいけない。
絵を描きたい気持ちだけじゃ生きていけない。
「私、正直呪術のことはなんにも知らないんです。運動も得意かって言われたら自信ないですし…
…昨日は、1年のみんなに散々体術の基本教えて貰って、でも攻撃にも防御にも呪力がのらないって言われちゃって…」
「お、おかか…」
「五条先生に、まずは呪力のコントロールができるようになることだって刀を持たされたんですけど、今日の感じだと刀の扱い覚えるので精一杯。
そこでこの真刀使って呪力を流し込めって言われても、何をどうしたらいいのかまだ全然さっぱりだし」
「こんぶ!」
「それができるようになったら、……この呪霊のことも、何か分かるんですかね……」
「……」
私は両手で自分の頬を2回叩いた。
ぱしぱしっ、と弾くような音を鳴らして。
「高菜?!」
狗巻先輩がそれに驚く。
ダメだ。考えても分からないことに囚われすぎるのは。
改めて先輩になんて話を聞かせているんだ私は。
「狗巻先輩、ごめんなさい。突然弱音吐いちゃって。しっかりしないとですよね!」
「しゃけ」
こくり、と頷いて、それから優しく微笑んでくれた。
私もそれに釣られて笑顔になる。
「じゃあ早速クロッキーを描きたいと思います」
「こんぶ!」
私は鉛筆を手に取って、クロッキー帳の上で腕を動かしていく。
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reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます!(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます!今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜! (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか? (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます!挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…! (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星藍 海 | 作成日時:2022年2月11日 2時