19 肯定 ページ15
絞り出したような声だった。
「あ、ええと。今呪霊が喋って…呪霊の言葉は私にしか分からないみたいなんですけど」
そうだった。呪霊の喋る言葉の意味が分かるのは私だけなんだった。
ていうか、やっと喋ってくれた。
ファミレスの時から昨日まで一切喋ってないことを考えると、昨日今日と連続して声が聞けているのは頻度は上がっている…ということなのか。
「“今日は絵を描かないのか？”って聞かれただけで、特に攻撃しようとかそういうのは無いみたいなので安心してください！」
「…しゃけ」
胸をなでおろして、狗巻先輩は呪霊の方に向けていた体を直した。
クロッキー帳に描くような程度の絵じゃ呪力は篭らないというのに、この呪霊はどうしてそんなことを聞いたのだろう。
ペンケースを開けながら、小さく呟く。
「私の呪力が目当てじゃない…のかな」
“…そうだ”
「……え？」
首が取れる勢いで呪霊の方に顔を向ける。
「ちょっと、え、それってどういう…？！じゃあ何が理由で……！」
「こ、こんぶ？」
狗巻先輩が私の様子に困惑しているのを気に留めず呪霊に詰め寄るが、呪霊は困ったように首を傾げるだけで、それ以降うんともすんとも言わなかった。
私の呪力が目当てじゃない？
そういえば、あのファミレスで……
“…いや、絵に込められた呪力っていうのは、限りがある。一度絵から呪力を奪えばそれきりだ”
“もう呪力のない絵を守ろうとしてた、か…”
“ストックの可能性もあったけど、回収した絵にはどれも呪力は残ってなかったしね”
五条先生たちがそんなことを話していた。
もう呪力のない絵を守ろうとしていた。
それなら、やっぱり。そういうことだったんだ。
でもそしたら、なんで私に憑いてきてるんだろう……？
他になにか思い当たる理由なんて……
呪霊から訊くのが1番早いのに。
しかし今日の分のお喋りはもうおしまい、そんな気がする。
「はあ〜〜……」
諦めて座り直す。
隣からの狗巻先輩の不思議そうな目線に、私はやっと説明をする。
「すみません、いきなり。呪霊が“私の呪力は目当てじゃない”ってはっきり言ったから、びっくりしちゃいました…」
「しゃけ？」
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reia(プロフ) - 加糖雪さん» ありがとうございます！(*^^*)もちろん、無断転載や改変などはしません! (2022年3月2日 17時) (
レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» 保存のみでしたらしていただいて良いですよ。画像の複製、改変、転載(複製や改変したものを含む)等は禁止しておりますのでご注意ください。 (2022年3月2日 17時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - souさん» souさんコメントありがとうございます！今後も番外編に挿絵描いてもらう予定なのでお楽しみに〜！ (2022年3月2日 17時) (レス) @page32 id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
reia(プロフ) - 加糖雪さん» 挿絵の保存って大丈夫ですか？ (2022年3月2日 16時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
加糖雪(プロフ) - reiaさん» reiaさんコメントありがとうございます！挿絵はこれからも番外編にちょこちょこ入れる予定なのでお楽しみに…！ (2022年3月2日 14時) (レス) id: 7edce3b0d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星藍 海 | 作成日時：2022年2月11日 2時
