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そして時は過ぎて_
三ヶ月後 蝶屋敷
風に吹かれて優しい春の風が
窓から桜を連れて入ってくる
炭治郎「もう桜も満開だ」
禰豆子「うん、綺麗だねぇ」
人を喰う鬼が居ない世界になった
けれど引き換えにあまりにも沢山の仲間を失った
それでも生きていかなければならない
この体に明日が来る限り
禰豆子はベッドに伸びる炭治郎の左手を握る
禰豆子「やっぱり手、握ったりもできない?こっちの手お爺ちゃんみたいにシワシワになっちゃったね」
炭治郎「そうだなぁ、上げ下げくらいは出来るけど、肘から下は触られてるのも分からないよ」
禰豆子「そっかぁ...」
炭治郎「元々無くしてる物だしなぁ。こっちの目も形が整ってるだけで機能してないし。俺なんかより禰豆子は大丈夫なのか?」
禰豆子「私は全然平気だよ」
炭治郎「傷が残るだろうなぁ...皆にも申し訳ないよ」
悲しそうに眉を下げ項を垂れる
そんな炭治郎に禰豆子は少し起こったように口を開く
禰豆子「そんな事気にする人居ると思う?もう謝るのは無し。次謝ったらおでこはじくからね。...お兄ちゃんが人間に戻れて良かった」
炭治郎「義勇さんは俺が禰豆子を噛んだ時、終わったと思ったって」
禰豆子「あははっそれは思うよねぇ。私も本当に駄目かもって何度も思った」
炭治郎「愈史郎さんの話だと、しのぶさんの薬があった事と、一番最初に噛んだのが禰豆子だった事が僥倖だったって」
禰豆子「そうなの?」
炭治郎「うん。禰豆子は一度鬼になって人間に戻ってる体だから、抗体を持っているんだって」
禰豆子「こーたい?」
炭治郎「無惨の細胞に対して免疫があったらしい」
禰豆子「めんえき!」(可愛い←)
炭治郎は愈史郎との会話を振り返る
┈┈┈┈┈┈
愈史郎「しのぶの薬と禰豆子、もしどちらか欠けていたらお前は人間に戻れなかっただろう。つくづく運の良い奴だよ。そしてお前の鬼としての素質、ずば抜けてるよ。一瞬で太陽を克服しているし、無惨より禰豆子よりお前には鬼の素質があったんだ。ギリギリまで自我が消えずにいられたのも凄いことだ。本当によく頑張ったな。偉いよお前は」
悲しそうに嬉しそうに優しく微笑む愈史郎に
炭治郎は自然と涙が溢れた
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メア様推しの人 - これって現在パロ?てないんですか? (6月2日 16時) (レス) @page45 id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - たまたま見つけたお話でこんなに泣くとは思いませんでした!素敵な作品でとっても感動しました。続編見てきます! (5月23日 19時) (レス) @page45 id: 87b97eb6cb (このIDを非表示/違反報告)
らら - ほんっとに小説で泣けない私なのにぼろなきしちゃうくらい素晴らしい作品をありがとうです!!今から全力で現代読んできます!! (2022年1月1日 16時) (レス) @page45 id: 593b9c77e0 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - ミラー☆さん» ミラー☆様!わぁぁぁ!ありがとうございます!手紙のところは私なりに力を入れた部分なので、そう言っていただけて本当嬉しいです!🙏✨こちらこそ、一章から九章まで読んでくださり、ありがとうございます! (2021年9月28日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
Yu-grena(プロフ) - 凛華さん» 凛華様!ほっ、本当ですか…!?めちゃくちゃ嬉しいです…😭そう言って頂き、本当にありがとうございます! (2021年9月28日 1時) (レス) id: 5ec0d29db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Yu-grena | 作成日時:2021年2月13日 23時