柱最強の女_第9章

−５３２−手紙_宇髄天元 ページ32

宇髄 天元 殿



この手紙を読んでいるという事はきっと


私はこの世に、皆の元に居ないと言う事だね


まず初めに、君達を置いて逝ってしまうのを


どうか許して欲しい


宇髄くん、君と会ったのも柱合会議の時だったな


最初派手派手言う変な奴かと思ってたよ←


けれど派手だと明るく振る舞う裏で


忍として苦しんだ過去もあっただろう


でも須磨ちゃん、まきを、雛鶴ちゃんと過ごす君は


とっても幸せそうで楽しそうに見える


君も冨岡くんと同じで仲間思いの熱い人間だ


私がボロボロになった時も私以上に泣いてくれたな


君も腕と片目を失い柱を引退して


柱の席がどんどん空いていくのがとても寂しかった


でももうあんな危険な目に合わなくて済むのなら


それでいいのかもしれないと思った


君は私もだろうと少し怒っていたな(笑)


平和な世界になったらまた嫁さん達に合わせておくれ


また嫁さん達のご飯が食べたい


君も耳がいいから嘘つくとすぐバレたな


死にたくないさ、そんなの。怖い


皆と笑っていたい、君達夫婦みたいになりたい


けど叶わない


だから私が叶えれない分嫁さん達と幸せに暮らして


皆で笑って生きていてくれ


ずっと私を気にかけてくれてありがとう




無常 A





┈┈┈┈┈┈┈┈┈



宇髄は必死に涙を堪える


笑っていてと願うなら笑っててやると


けれど今はそれも上手くいかなくて






天元｢ｯ...お前が居なきゃ、皆じゃねぇだろ...ｯ...｣







宇髄の顔が崩れ眉が下がる


宇髄にとって誰一人として欠けて欲しくなかった


私より先に死ぬなんて許さないぞと無常に怒られた時


お前も死ぬなよと言い合った人が亡くなったのだから





A｢約束守れずすまない...嫁さん達によろしく｣＿





いつもの調子で聞こえた無常の声


ズビッと宇髄は鼻を啜り笑う








天元｢お前の分も派手に幸せになってやる｣







そう言って宇髄は手紙を抱きしめて笑った

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