賑やか、楽しいヒーロー達と。【流星隊】

３４：ハラハラオムライス ページ34

「……はっ」




あのまま奏汰先輩の肩で寝てしまい、目を覚ましたのは3時間後のことだった。

時刻は午後7時。




「あ、ご飯…！」




周りに誰もいないと気付いた途端、
慌てて跳ね起きる。

皆のご飯作るの忘れてた…！

小走りでキッチンへ急ぐと、そこには見慣れないエプロン姿の千秋さんと鉄虎くんがいた。




「おはよう！晩飯なら今作っているからまだ寝ててもいいぞ？」

「おはようって時間じゃないんですけど…ていうか夜ご飯なら私が！」

「いいんスよ姉御！俺たちに任せてくださいッス！」




2人の手元と材料を見る限り作っているのは
オムライスらしい。

手伝おうかと申し出るも、休んでおけと押し出される。




「だから俺たちに任せておけばよいのだ！」

「う、うぅ…」




お言葉に甘えたいところだけど、鉄虎くんを見ているとウズウズしてしまうんです。

千秋さんも千秋さんで危なそうだし…


ハラハラしながら見守っていると、仮眠を取っていたのか小さくあくびをする翠くんがキッチンにやってきた。




「あ、翠くん！お願いッス、姉御を連れ出してくれないッスか？」

「連れ出し……っ!? 」

「俺たちに任せておけと言うのに心配そうにするんだ！高峯頼んだぞ！」




連れ出すって酷くないか？

なんとなく事情を把握したらしい翠くんは、
私の手を引いて「行きましょう」とリビングへ歩き出した。

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