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真緒side




朔「……ぶっちゃけて言うと、




_______一目惚れ、だねぇ。」




衣「……え。」




……一目惚れ…?




衣「お前が……?」




かなり動揺してるけど、凛月は冷静に頷くだけだ。




朔「初めて目が合ったあの日から、気になり始めた…って感じ。」




衣「えっ、マジで……?なんで?」




朔「なんでだろうねぇ…?俺にもよくわからない。

強いて言うなら、ちゃんと俺の目を見てくれたからかなぁ?」




衣「目?」




朔「うん。

皆が化け物だ、病気だって騒いで、俺を避けるのが当たり前だったのに。

こいつ、初見で『綺麗』って言ってきたんだよ。」




ああ、そういえば。




凛月は皆から非難されたくなくて、まともに人と目を合わせなかったんだっけ。




……でも確か、昔同じような女子がいた気がするんだけど…?




朔「昔にも言ってきたやつ一人いたけどね。

そいつは表向きいい顔をしてただけで、実際は綺麗だなんて微塵も思ってなかったよ。」




俺の考えを読んでか、凛月はそう言った。




朔「……俺は、あの時から、ま〜くんとしか目を合わせなかったのに。」




俺から目を離して、そっとAを見つめる。




その目には、後悔の念が宿っているようだった。




朔「……ま〜くんだけで良かったのに。」




まるで、Aに「ごめん」と謝っているようだった。




衣「……あー…お前はさ、

要するに、怖いんだろ?」




朔「……は?怖い?俺が?」




衣「ああ。

また裏切られるんじゃないかって思って、既視感を覚えるから怖くなるんだろ。

だけどAを好きっていう、自分の中の矛盾に気づいてイライラしてるだけだ。」




こいつには昔からそういう悪い癖があった。




他人に迷惑をかけたくなくて、自分でそいつへの感情を抑え込む。




優しさ故の癖だ。




衣「心配しなくても、Aは絶対お前を置いていかない。俺が保証する。

不安なら一度甘えてみたらどうだ?

多分こいつなら、受け入れてくれるよ。」




普段勉強しながら3人の兄弟の世話もしてるんだ。




一人増えたところで、あいつはきっと「3人も4人もおんなじっしょ」とか言って笑うだろう。




朔「……まあ、好きになっちゃったのはしょうがないからね。

今更逃げたりしないけど……」




またAを愛おしそうに見つめて言う。









朔「眠り姫様は鈍感だから、早く堕としてあげなくちゃね……♪」

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作者名:天野いろは | 作成日時:2019年2月12日 12時

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