・ ページ5
真緒side
朔「……ぶっちゃけて言うと、
_______一目惚れ、だねぇ。」
衣「……え。」
……一目惚れ…?
衣「お前が……?」
かなり動揺してるけど、凛月は冷静に頷くだけだ。
朔「初めて目が合ったあの日から、気になり始めた…って感じ。」
衣「えっ、マジで……?なんで?」
朔「なんでだろうねぇ…?俺にもよくわからない。
強いて言うなら、ちゃんと俺の目を見てくれたからかなぁ?」
衣「目?」
朔「うん。
皆が化け物だ、病気だって騒いで、俺を避けるのが当たり前だったのに。
こいつ、初見で『綺麗』って言ってきたんだよ。」
ああ、そういえば。
凛月は皆から非難されたくなくて、まともに人と目を合わせなかったんだっけ。
……でも確か、昔同じような女子がいた気がするんだけど…?
朔「昔にも言ってきたやつ一人いたけどね。
そいつは表向きいい顔をしてただけで、実際は綺麗だなんて微塵も思ってなかったよ。」
俺の考えを読んでか、凛月はそう言った。
朔「……俺は、あの時から、ま〜くんとしか目を合わせなかったのに。」
俺から目を離して、そっとAを見つめる。
その目には、後悔の念が宿っているようだった。
朔「……ま〜くんだけで良かったのに。」
まるで、Aに「ごめん」と謝っているようだった。
衣「……あー…お前はさ、
要するに、怖いんだろ?」
朔「……は?怖い?俺が?」
衣「ああ。
また裏切られるんじゃないかって思って、既視感を覚えるから怖くなるんだろ。
だけどAを好きっていう、自分の中の矛盾に気づいてイライラしてるだけだ。」
こいつには昔からそういう悪い癖があった。
他人に迷惑をかけたくなくて、自分でそいつへの感情を抑え込む。
優しさ故の癖だ。
衣「心配しなくても、Aは絶対お前を置いていかない。俺が保証する。
不安なら一度甘えてみたらどうだ?
多分こいつなら、受け入れてくれるよ。」
普段勉強しながら3人の兄弟の世話もしてるんだ。
一人増えたところで、あいつはきっと「3人も4人もおんなじっしょ」とか言って笑うだろう。
朔「……まあ、好きになっちゃったのはしょうがないからね。
今更逃げたりしないけど……」
またAを愛おしそうに見つめて言う。
朔「眠り姫様は鈍感だから、早く堕としてあげなくちゃね……♪」
266人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天野いろは | 作成日時:2019年2月12日 12時