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「小鳥遊Aさん入りまーす!」
「「「「お願いしまーす。」」」」
うっっわあ入り辛っ。
モデルって毎回こんな挨拶されんの、メンタルどうなってんの??
蚊の鳴くような声で『お願いしまーす…』と言いながら入り、とりあえず監督さんの元に行く。
「おおおおおAちゃん随分雰囲気変わったねぇ!!
それでいて絶妙に揺るがない地味さ!うん、僕の思い描いた通りの『地味かわ』だよ!本当に協力してくれてありがとう!!」
『あ、あはは…お役に立てて何よりデス……』
帰りたい。(切実)
モデルのメンタルどうなってんの??(2回目)
「よし、じゃあ早速撮っていこうかな!」
『…えっ、』
「カメラマンさん、準備お願いしまーす!
さ、Aちゃんも」
『ちょっ、ちょっと待ってください!』
「ん?」
『せないず…瀬名さんが、いないんですけど……』
「ああ、彼はもう1時間くらいしたら来るよ!
最初はピン写の方を撮っていこうって話だったけど…瀬名くんから聞かなかった?
確か君、外せない用事があってその日の打ち合わせ来れなかったよね?
だから瀬名くんに連絡してもらうようお願いしてたんだ。」
『…へ、へぇ〜……』
聞 い て ね ぇ 。
さすがに殴るぞせないず先輩。
「ほんとに聞いてなかったみたいだね…
ごめんねぇ…僕から直接伝えたかったんだけど、しばらく携帯が壊れててメールが使えなかったんだ。
ちょっとざっくりだけど流れを説明するね…」
・
「っていう感じなんだけど、できそ?」
『もうどのみちやらなきゃなのでいっそ思いっきりやります。』
「おお!表情が殺伐としてるけどAちゃんのそういうとこ好きだよ!
じゃ、可能な限り僕もサポートするから、頑張って!」
『はぁい…』
こうして死にそうなメンタルの中、謎のポーズを取りながら1人で写った写真がまさか裏表紙に採用されるなんてことを知るのは、もう少し先の話。
※終わりません、まだ続きます
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作者名:天野いろは | 作成日時:2019年2月12日 12時