第10話 ページ12
「なあ近藤さん、今更だがAを真選組に入れちまって良かったのか？」
「なんだよトシ、なにか不満があるのか？」
「不満ってゆーか、結局はどこの誰か分からないんだろ？」
「なんですかィ土方さん。たかが女1人にビビってるんですかィ？」
アイマスクを外した沖田は寝そべったまま土方を見た。
「たかがで済む女じゃないから心配してるんじゃねーか。もしかしたらここにいる誰よりも強いかもしれねぇ。」
「まぁそうですがね。さっき旦那と一緒に団子屋で話してましたけど、Aの攘夷戦争んときの異名…“彼岸花”らしいですぜ。」
その名を聞いた瞬間、土方と近藤は少し驚く。
「彼岸花っていやあ、あの正体不明のやつだろ？」
「白夜叉と並ぶ程の化け物。女だとか大男だとか色んな噂があったが、まさかAのことだったとは。」
「攘夷戦争が終わったと同時にどこかへ消えてたらしいです。」
思ったよりも深い話になってしまったことに3人は何かを考え込む。
数秒後、近藤は「まぁいいじゃないか！」そう言った。
「悪いやつじゃないことはお前らだって分かってるだろ？だったら問題ない。…さて、俺はお妙さんのところへ行ってくる。」
2人はそれを呆れ顔で見送った。
「近藤さん、また姉御に殺されますぜ。止めなくていいんですかィ？」
「もういいよあれは。…ところで総悟。さっきの話によるとお前、見回りサボって団子食ってたってことでいいんだよな？」
「あ…やべ。」
「待ちやがれこのサボリ魔がぁ！！」
走り出した沖田を追いかける土方の顔はまさに鬼だった。
そんな鬼を怖がることもなく余裕顔で逃げる沖田の目の前に2人の男女が現れる。
「あ、てめえら。」
「総悟てめぇ！覚悟しやがれ！…あん？なんでお前らがここに？」
そこにいたのは白い服をまとった真選組とはまた別の警察。
「どうも。沖田さん土方さん、お久しぶりです。先日捕らえた泥棒ですが、あれうちでも追っていた奴でして“一応”お礼を言った方がいいかと伺いました。」
「そいつぁどーも。“一応”客だし茶でも出した方がいいか？」
「そうですね。まぁエリートでしたら客に聞かずともお茶くらい出しますが。」
佐々木異三郎の言葉に土方は引きつった笑みを浮かべた。
「こらこら信女さん土足のまま上がってはいけません。ほらドーナツあげますから。」
その瞬間、異三郎の手ごとかぶりついて信女はドーナツを口に含む。
その光景を沖田と土方はずっと真顔で見ていた。
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時々雨(プロフ) - 返信頂けて嬉しいです。ありがとうごさいます！のんびりといつまでも待ちますので、無理なく頑張ってくださいね。楽しみにしてます！ (2020年9月10日 1時) (
レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 時々雨さん» コメントありがとうございます！続きがなかなか思いつかなくて無理かなぁと思っておりましたが、今回そう言っていただけたのでまたストーリーを考えて頑張っていきたいと思います！時間はかかるかもしれませんが自分なりに作成していこうと思います！ (2020年9月8日 21時) (レス) id: 201a018e64 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - コメント失礼します。だんだんと主人公が自分と向き合いはじめ感情に名前がつきはじめ、どうなっていくのかと気になります。続きはない感じでしょうか…？とても気になる内容で是非続きを読んでみたいです！ (2020年9月8日 16時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - BT21 さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年9月16日 21時) (レス) id: 6f16964e99 (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - 凄い面白いですね松陽先生も出てくるし続き楽しみです更新頑張ってください (2019年9月16日 21時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユーリ | 作成日時：2018年6月16日 0時
