第9話 ページ11
「っ…!」
目くらましか、他愛もないことを。
「ふっははは!どーだあ!俺の特性爆弾ちゃんの威力は!」
その声を聞いて懐かしさとともにイラつきを覚えた。
なんとなく声の主が予想できる。
するとまた2つの爆弾が飛んで来た。
だが、私には通用しない。
「爆弾をずらしながら投げたって無駄。」
「ヅラじゃない!!」
煙をかき分け床を蹴りバッと飛んだ。
そして見えてくる懐かしい顔。
「桂だ!!!」
叫んだその瞬間、やつの脳天に上から蹴りを食らわしてやった。
「ぐふっ!!」
ベシャッと音を立ててその場に倒れた小太郎はすぐに立ち上がり、私と距離を取るため後ろへ下がった。
「この俺にここまでやるとは…貴様何者……え。」
「久し振り、小太郎。」
「お、お前!Aか?!」
「うん。鼻血出てるよ。」
そう言うと彼は驚いた表情のまま着物の袖でぐしぐしと血を拭いていた。
「ふっふふ、あっはは!騙されんぞぉ!真選組のやつらめ、ついにAのソックリさんまで連れて来おって。そうやって罠にかけて俺を捕らえるつもりだな?」
「………攘夷戦争始まってすぐの時、厠へ行ってた小太郎が突然きた知らせに焦って手を洗わないまま出て来たの知ってる。」
「おー!Aー!懐かしい友よ!!お前は相変わらず見目麗しいなあ!!……ち、ちなみにだけど、それ誰にも言ってなぁい?」
焦った笑顔で私に近づいてくる。
これで私が本物だと分かったらしい。
「言ってない。」
「さすが!お前は天使だ!だがその天使にまだ捕まるわけにはいかない。さらばだ!」
小太郎はそう言って一番近い窓から飛び降りてしまった。
一応追ってはみたもののすぐに消えていた。
「逃げられた。」
久し振りに会ってみたがあまり変わっていないようだった。
「Aー!無事かー?」
「山崎、小太郎に逃げられた。」
「あー、桂かぁ。逃げの小太郎とか言われてるし。しょうがないよ。」
「うん。でも本気でやり合ったら勝てるかもしれない。」
「言い方ちょっと怖いんですけど。」
結局他の2人も逃げられ捕らえられなかったらしい。
しかし久し振りに動いてみたら良い気分転換にはなったかもしれない。
懐かしい顔も見れたし。
でも、彼らにいつかは話さないといけない。
私の過去を。
銀時と小太郎と、晋助にも。
あの3人にとっては大切な事だろうから。
私と__________先生との関係を。
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時々雨(プロフ) - 返信頂けて嬉しいです。ありがとうごさいます!のんびりといつまでも待ちますので、無理なく頑張ってくださいね。楽しみにしてます! (2020年9月10日 1時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - 時々雨さん» コメントありがとうございます!続きがなかなか思いつかなくて無理かなぁと思っておりましたが、今回そう言っていただけたのでまたストーリーを考えて頑張っていきたいと思います!時間はかかるかもしれませんが自分なりに作成していこうと思います! (2020年9月8日 21時) (レス) id: 201a018e64 (このIDを非表示/違反報告)
時々雨(プロフ) - コメント失礼します。だんだんと主人公が自分と向き合いはじめ感情に名前がつきはじめ、どうなっていくのかと気になります。続きはない感じでしょうか…?とても気になる内容で是非続きを読んでみたいです! (2020年9月8日 16時) (レス) id: 53cd215612 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - BT21 さん» 面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2019年9月16日 21時) (レス) id: 6f16964e99 (このIDを非表示/違反報告)
BT21 - 凄い面白いですね松陽先生も出てくるし続き楽しみです更新頑張ってください (2019年9月16日 21時) (レス) id: e3d4fbe2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユーリ | 作成日時:2018年6月16日 0時