【刀剣乱舞】 もう逢えない物語 【薄桜鬼】

第六話 ページ8

どさっと、乱暴に畳に投げ出された。




「…おとなしくしていろ。じきに報告が来る。」




そう冷たく言い残して、斎藤さんは出て行ってしまった。


僕は器用にむくりと起き上がる。


思い切り打ちつけられた左半身が痛い。

昨晩の傷は、手当てしてくれたおかげでだいぶ楽になったが、なにせ本体は刀。
本体を手入れしなければ、根本的な解決にはならない。




(体の自由も奪われ、刀も没収されている…かといって、この部屋で処罰を待つのも…)






みんな、今頃どうしているだろう。


粟田口、脇差、三条、太刀、大太刀、短刀、打刀、槍、新選組刀…



主も、僕のことを心配してくれているんだろうか。







(そうだ、僕にはみんながいる。僕だってちゃんと本丸の戦力になっている。

ここで折られるわけにはいかないんだ。


大人しく処罰を待つか、リスクを背負ってでも逃げ出すか…)







「………もし処罰が悪い方へ転んだら、逃げ出す隙を見つけよう。あとは、ただ処罰が僥倖にいくことを祈るしかない。


何がどうなろうと、絶対に生き延びなきゃ…！」

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