第五話 ページ7
「……はい、これでいいでしょ。…ほら、もう泣かないの。」
そう言われて、僕はもう泣かないようにと気を引き締めた。
改めて、沖田くんの顔を真正面から見た。
「…あの、沖田、さん。」
ぎこちなくそう呼んだ。
「ありがとうございました。…ごめんなさい、迷惑かけて。」
「ほんと、いい迷惑だよ。この手拭い、千鶴ちゃんに繕ってもらったばっかなのになぁ」
千鶴さん。ここに来て二度目にきいた、懐かしい名前。土方さんと、ずっと一緒にいた女の人。今の僕とおんなんじ境遇だ。
「総司、もういいだろう。連れて行くぞ。」
一さんに縄を引っ張られて、僕は後ろによろめいた。
「あ…、ま、待って！！」
―――――――僕は、一世一代のチャンスだと思った。
人の形をして、伝えられないことは何もない。ただ人に使われるだけの刀じゃないんだ。
「ぼ…僕、その…！」
「…なに。」
沖田くんは、じっと僕の方を見ていた。僕の目を、しっかり見て。
「…えっと、あの、…ぼ、僕、ずっと沖田さんのこと、見てました！」
「………は？」
僕の発言が思いがけなかったのか、沖田くんはすごく不思議そうな、それでいて興味深そうな表情をした。
「いつも、いつも、刀の振りとか体の動かし方とか、すごくかっこいいな、って思ってました。
…僕、実は、あなたの一番近くにいたんです。あなたのすぐ隣で、すごいな、素敵だな、って思ってみてました。
いつも、自分の刀を、『今日もありがとう、明日もよろしくね』って、そう話しかけてました。」
「総司、お前そんなこと…」
「ちょっとやめて土方さん引かないで。」
「…いえ、ちがうんです、嬉しかったんです。自分の刀を、そんなにも大事に大事に扱っていて。」
なんとなく一方的に話をしてしまっているけど、なんだか言葉が見つからない。
伝えたいこと、話したいこと、沢山あったはずなのに。
「稽古が終われば、刀を手入れしていました。」
『綺麗にしてくれて、ありがとう。』
「すごく沢山、稽古をしていました。」
『僕を使ってくれて、ありがとう。』
「いろんなことを、まるで誰かに話しているように語っていました。」
『この世界を教えてくれて、ありがとう。』
「すごく、素敵で勇敢でまっすぐで、…僕の憧れです。沖田さんは。」
僕がそう言った瞬間、沖田くんは、すごく驚いた顔をした。
「……斎藤、連れていけ。」
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千代＠安定くん愛してる(プロフ) - Knightsの一鶴さん» 占いツクールに「夢主なしはダメ」なんて決まりあったんですか？きいたことないけど… (2017年8月15日 21時) (
レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
Knightsの一鶴(プロフ) - 夢主いないなら占いツクールに出すな。pixiv行け (2017年7月21日 22時) (レス) id: ebefdf627c (このIDを非表示/違反報告)
千代＠安定くん愛してる(プロフ) - 楓花さん» ありがとうございます！忙しくて更新が遅くなってしまって本当にすみません！こんな素人の作品にコメントありがとうございます！ (2017年7月9日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - 更新を待っていました、これからも頑張ってください (2017年6月19日 21時) (レス) id: fbbb4f8b94 (このIDを非表示/違反報告)
ほたか@ヨハネと堕天したい(プロフ) - 帰蝶さん» 返信遅くなってすみません！！また今日から更新再開するので、がんばります！！ありがとうございました！！＾〇＾ (2017年3月18日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ：
作成日時：2016年5月11日 21時
