第三十五話 ページ38
「あーあ、ばっかじゃないの。そんな遠まわしに言ってさぁ。」
「…加州さん。」
――――俺、鯰尾藤四郎が新選組の屯所を抜け出した頃、太陽はようやく東に昇っていた。
加州さんはその逆光に立って、俺を待っていてくれたようだ。
「えへへ、俺の演技、見ててくれました?」
「……わざとらしかった上に、とんだ棒演技。
「え〜。歴史改変にならないようなるべく自然体で頑張ったつもりなんですけど…。」
俺はそう軽口をたたきながら、着ていた着物を勢いよく体からはぎ取った。
「和服着るのなんて、寝間着以外なかなか無いから不思議な感じですね。やっぱり、粟田口の制服がしっくりきますわ〜。」
軽く腕を引っ張り、俺は粟田口の制服を翻す。
「よ〜し!それじゃあ気を取り直して、加州さん、他のみんなと合流です!連絡はとれてるんですか?」
「ん〜…と、もう少ししたら、三条大橋の近くで待ち合わせ。」
「じゃあそれまで腹ごしらえしましょう!堀川さんの言ってたお団子、食べたかったんですよね!」
「ちょっ…、まさか、それ食べに行くつもりッ?あっ、走んないでよ!〜ッたく、もうっ!
――――― 俺、一応あの人の愛刀なんですけど!?」
俺の後ろを、髪をおさえて走り出す加州さん。その小奇麗な容貌は、さっき別れたばかりの沖田さんと瓜二つだった。
(安定さんと沖田さんは毛ほども似てないのに、どうして加州さんだけ…これほど沖田さんの影響を受けたんだろう。)
初めて沖田さんを見たときから、そればかりがずっと気になっていた。たいした問題というわけでもないのに、自分の心の中で 安定さんと沖田さんの取っ掛りや共通点が見えなかっのだ。
(ほんと、不思議な刀。)
「…あっ。加州さん、あそこの団子屋にしましょうか!」
「げっ…あそこ、あの人が千鶴さん達とよく食べに行ってたとこだ。」
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千代@安定くん愛してる(プロフ) - Knightsの一鶴さん» 占いツクールに「夢主なしはダメ」なんて決まりあったんですか?きいたことないけど… (2017年8月15日 21時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
Knightsの一鶴(プロフ) - 夢主いないなら占いツクールに出すな。pixiv行け (2017年7月21日 22時) (レス) id: ebefdf627c (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - 楓花さん» ありがとうございます!忙しくて更新が遅くなってしまって本当にすみません!こんな素人の作品にコメントありがとうございます! (2017年7月9日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - 更新を待っていました、これからも頑張ってください (2017年6月19日 21時) (レス) id: fbbb4f8b94 (このIDを非表示/違反報告)
ほたか@ヨハネと堕天したい(プロフ) - 帰蝶さん» 返信遅くなってすみません!!また今日から更新再開するので、がんばります!!ありがとうございました!!^〇^ (2017年3月18日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ:
作成日時:2016年5月11日 21時