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第三十話 ページ33

目の前の少年は、僕の知りあいでもなく、親戚でもなく、全く身に覚えのない赤の他人。


淡い紫の着物を着て、長い髪を赤い紐で一束に結い、ぱっちりとした目でこちらを見つめていた。



まだわずかに幼さを残した顔立ちだが、細身ですらっとしている。歳は16にも、20にも、僕と同い年にも見えた。







「初めまして、沖田さん!

俺、鯰尾藤四郎っていいます!“過去なんか振り返らない”、が モットーのちょろっとお茶目なお兄ちゃん。よろしくですっ!」







勝手にさらっと自己紹介をする彼。にこっと気前よく微笑み、僕の隣に腰かけた。






「…どこから入ってきたの?それとも隊士だったっけ?…見ない顔だけど、ずいぶんと馴れ馴れしいね。」


「えへへ、沖田さんに 少しお聞きしたいことがありまして。」



「ききたいこと…?」







「はい。」と一言返事をし、彼は僕に向き直った。







「……ここに、髪を高く結った侍はいませんでした?青い瞳をした、…あなたとおんなじ刀を持った人…。」



「…。」




声には出さなかったが、心の中で酷く驚嘆した。聞く限り、Aくんに酷似していたからだ。


彼は僕の表情から分かったように「やっぱりここにいらしたんですか」と軽く答えた。






「……でも、今はどこかへお散歩のようですね。」


「…散歩なんかじゃないさ。…出て行ったんだよ。」



「いえ、散歩ですよ」

「はぁ?」




鯰尾と名乗る少年は、彼の家出をかたくなに『散歩』と言い張る。苛立ちを覚えた僕は、少しばかり強めの口調で彼に言った。




「Aくんのこと知ってるんだよね?だから今こうして捜索しようとしてるんじゃないか。」


「こんな小さな規模で、捜索なんてする必要なんてないんですけどね。…しょうがないです。だってあなたは、彼のこと何にも知らないようですから。」



「君、さっきから何が言いたいの?おかしなことばかり言って、頭大丈夫?」



「本当に彼は家出なんて大きなことしてませんよ。……ところで、彼はここじゃ『A』、なんて名で呼ばれてるらしいですね。」




「…“呼ばれてる”って…はぁ?あの子の本名なんじゃないの?」





鯰尾は「違います。」と、そう言った。はっきりと。なんの抑揚もなく。




「…やっぱり知らないんですね。彼のこと。なんにも。」



「…。」




僕は答えず、鯰尾から目を逸らした。









「…彼の本当の名前……教えてあげましょうか?」

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千代@安定くん愛してる(プロフ) - Knightsの一鶴さん» 占いツクールに「夢主なしはダメ」なんて決まりあったんですか?きいたことないけど… (2017年8月15日 21時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
Knightsの一鶴(プロフ) - 夢主いないなら占いツクールに出すな。pixiv行け (2017年7月21日 22時) (レス) id: ebefdf627c (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - 楓花さん» ありがとうございます!忙しくて更新が遅くなってしまって本当にすみません!こんな素人の作品にコメントありがとうございます! (2017年7月9日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - 更新を待っていました、これからも頑張ってください (2017年6月19日 21時) (レス) id: fbbb4f8b94 (このIDを非表示/違反報告)
ほたか@ヨハネと堕天したい(プロフ) - 帰蝶さん» 返信遅くなってすみません!!また今日から更新再開するので、がんばります!!ありがとうございました!!^〇^ (2017年3月18日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年5月11日 21時

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