第十六話 ページ18
「えーっと…じゃあ次は夕餉の買い出しだね。八百屋に行かなきゃ。」
沖田くんとはメモ用紙片手に商店街の店を次々と練り歩く。
僕は案の定、荷物持ちだった。
(おも…っ…重いよ沖田くん…それなりに筋肉ついてるとはいえ…これは…っ!)
「あ、じゃあAくん、次は野菜持って。」
「う…ぁ…はいっ…!」
ずしっと、またもや重い荷物が僕の腕にのせられた。
「ちょっと、このくらいで音を上げるの?顔真っ赤だけど。」
「あ、はははは…っ…これくらい大丈夫ですよ…」
「そっか、じゃあ次あっちの店ね。」
「う…」
沖田くんは、いつになってもやっぱり冷たい。僕だって明らかに無理してるはずなのに。
(少しは気にかけてくれてもいいのにな…)
「ふ〜、まぁ頼まれたのはこんなものかな。はい、これで最後。ちゃんと持ってね。」
「お…沖田…っさん…そろそろ…休みません…っ?」
「え〜、もう?…別にいいけど、僕は自分の買い物あるからなぁ。じゃあそこの団子屋で待っててよ。」
その言葉に僕はパッと嬉しくなって顔をあげた。やっと一休みできる…と安心し、いそいそとどこかへ向かう沖田くんをよそめに店へはいった。
僕はそこで千鶴さんがおすすめだと言っていた団子を頼んだ。
いくらか待つと、この店の女房らしき小太りの女の人が、気前よく団子を持ってきてくれた。
でも、その皿には僕が頼んだ本数より一本多く乗っている。
「はい、お待ちどうさま!お兄さんかっこいいからおまけね!」
そう言って、皿を僕に差し出した。
「え…いいんですか?」
「いいのいいのっ!さっきのお客さんったら、作ったあとで一本少なくしてくれ、なんて言ってきてね。冷めたもんじゃ売れないし、処分に困ってたから、丁度いいわ!」
そう一人で早口に喋り、僕が呼び止めるのも聞かず女の人はいそいそと店の中へ戻っていった。
仕方ない…なんて呟きながらも、内心素直に一本多く突いた団子に喜んでいる自分がいる。
外の腰掛に座り、もらった団子を眺めた。
(今日頑張ったからかな、ラッキーだなぁ♪)
一本手に取り、ぱくりと口の中へ入れる。
ふんわりとした触感と、丁度良い焦げ臭さがなんとも甘ったるくて、なんだか自然に笑みが浮かんできた。
「なに一人でにやにやしてるの〜?」
「んぐッ!?ぶほッ、ごほっ…!」
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千代@安定くん愛してる(プロフ) - Knightsの一鶴さん» 占いツクールに「夢主なしはダメ」なんて決まりあったんですか?きいたことないけど… (2017年8月15日 21時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
Knightsの一鶴(プロフ) - 夢主いないなら占いツクールに出すな。pixiv行け (2017年7月21日 22時) (レス) id: ebefdf627c (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - 楓花さん» ありがとうございます!忙しくて更新が遅くなってしまって本当にすみません!こんな素人の作品にコメントありがとうございます! (2017年7月9日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - 更新を待っていました、これからも頑張ってください (2017年6月19日 21時) (レス) id: fbbb4f8b94 (このIDを非表示/違反報告)
ほたか@ヨハネと堕天したい(プロフ) - 帰蝶さん» 返信遅くなってすみません!!また今日から更新再開するので、がんばります!!ありがとうございました!!^〇^ (2017年3月18日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ:
作成日時:2016年5月11日 21時