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第十話 ページ12

手合せは、ほぼ互角だった。


始めは野次を投げていた新選組の隊士たちも、いつの間にか、誰もが黙って目の前の勝負に釘付けになっていた。


沖田くんも僕も、相手の攻め方や力量を冷静に計算しながら木刀を振る。どちらも一歩も引かない、白熱した戦いだ。


沖田くん得意の突きを何度もかわし、僕は素早く沖田くんの腰辺りの高さまで体をかがめる。



(今度こそいける…!)



僕はそう確信した。

何度も峰打ちを入れようとしたけれど、沖田くんはなかなか隙を見せない。僕はずっとこのチャンスを狙っていた。



沖田くんははっとしたように僕を見る。
そして再び険しい表情になって、僕に刀の狙いを定めようとするがうまくいかない。



(――今だ!!)




そして僕は、……沖田くんの脇腹に、軽い一振りを入れた。





ぼすっとした鈍い音が響き、沖田くんの動作は停止する。



僕を除く周りの人は、みんな目を見開いて固まっていた。

斎藤さんは目を丸く、土方さんはぽかんと口を開け、近藤さんにいたっては驚きのあまり僕らをただ凝視していた。







「………とりましたよ…一本。」




僕はそう呟いた。


その途端、止まった時間が動き出したかのように、

周りで僕らの様子を見ていた隊士たちが、歓声と拍手と共に僕へ向かって走り出してきた。


「すげえよあんた!あの総司を打ち負かすなんて!!」


「お前、見かけによらずすごいやつなんだな!」



僕よりも一回り以上がたいの良い隊士たちに肩を組まされ、僕は苦笑いをした。


一方 沖田くんは喜ぶ僕らに見向きもせず、そう、悔しそうに、一人バツが悪そうに屯所へ戻ろうとしていた。




「…あ…っ…沖田、さん…っ!」

「おーい総司ぃ!」


そう僕が名前を呼ぼうとすると、その声を遮って原田さんが沖田くんの名前を呼んだ。

隊士たちから無理やり僕を引きはがすと、僕は沖田くんの目の前に連れていかれる。

原田さんに軽く背中をぽん、と押されると、彼は少し微笑んで、そのまま隊士たちの輪の中に戻って行ってしまった。

僕らの周りには人はいない。ここだけ妙に風が冷たい気がした。


「え、と、沖田…さん。あの…」

「……僕さ、明日、近藤さんに頼まれて買い出しにいくんだけど、

……付き合いなよ。…Aくん。」




僕が言い終わる前に、沖田くんはそっぽを向いて言った。

僕は少しの間ポカンとして、遅れて返事をして思った。

この人が素直じゃないのは、相変わらずだなぁ、と。

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千代@安定くん愛してる(プロフ) - Knightsの一鶴さん» 占いツクールに「夢主なしはダメ」なんて決まりあったんですか?きいたことないけど… (2017年8月15日 21時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
Knightsの一鶴(プロフ) - 夢主いないなら占いツクールに出すな。pixiv行け (2017年7月21日 22時) (レス) id: ebefdf627c (このIDを非表示/違反報告)
千代@安定くん愛してる(プロフ) - 楓花さん» ありがとうございます!忙しくて更新が遅くなってしまって本当にすみません!こんな素人の作品にコメントありがとうございます! (2017年7月9日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - 更新を待っていました、これからも頑張ってください (2017年6月19日 21時) (レス) id: fbbb4f8b94 (このIDを非表示/違反報告)
ほたか@ヨハネと堕天したい(プロフ) - 帰蝶さん» 返信遅くなってすみません!!また今日から更新再開するので、がんばります!!ありがとうございました!!^〇^ (2017年3月18日 22時) (レス) id: 8c6514bcbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:果汁入りラムネミックス | 作者ホームページ:   
作成日時:2016年5月11日 21時

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