【刀剣乱舞】 もう逢えない物語 【薄桜鬼】

第九話 ページ11

『ほら、お前の刀は手入れしておいた。』




そう言って、土方さんは僕の本体を差し出した。


『…え…！？』




『……たとえ贋作だとしても、お前にとっちゃ大事なモンなんだろ。お前が持っておけ。』





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手入れもされて、コンディションというやつは完璧だった。…でも、まさか、こんなことになるとは。







「新入りも命知らずだなー、よりによって総司に喧嘩吹っかけるとは。」




「根性はないけど、度胸はあるってか。まあ精々がんばれよ〜。」









まるで僕の負け戦になると分かりきったような、ちょっかいをかけるかのような、応援とは思えない野次。


観客は諦めたように苦笑いしながら、僕らの方を見つめる。




それを無視して、僕はまっすぐ目の前の沖田くんを睨んだ。









(いくら沖田くんでも…許せることと許せないことがあるよ。)




僕は木刀に力を入れる。




(歴史改変とか刀剣男士とか、そんなこと気にせず戦って、僕がどんなに君のことを想っているか証明してやる…！)





木刀の先をこつりと合わせ、僕はこう言い放った。









「―――――――…実力を見てあげるよ。」

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