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第三十一話 ページ32

貴「いってー。」



はーちゃんに殴られたところが、未だに痺れている。



ちょっとからかってやったぐらいで意地張っちゃってさ。



いい大人の癖してやることがまるで子供だ。



まぁ、自分も人の事は言えないだが・・・。



貴「あーあ、今日は動きたくないなー・・・」



こんなに晴れているのに、屯所の空気は重い。



男ばかりでむさくるしいのもあるが、やはり夏だということもあるのだろう。



今年の夏は特に暑い。



というか、京の夏が暑いのか?



まぁ、どっちでもいいけど。



水浴びのひとつやふたつしてみたいものだ。



でも、井戸を使えば副長に怒鳴られる。



平助に見つかれば、仕事に駆り出される。



どっちみち、水浴びの用意をする気力も体力も、暑さによって溶けてしまった。



よって、水浴びの案は却下。



貴「はぁ・・・」



縁側の上をごろごろと転がる。



ふと、誰かがこっちに向かって走ってくるのが見えた。



あの、桃色の着物は・・・



貴「雪村サン?」



確か、男装してる訳あり少女。



最も、女性が苦手な俺は滅多に話さないが、今日もまた幹部のやつらに働かされているのだろう。



よくやるものだ。



早く逃げてしまえばいいのに。



・・・・逃げる?



貴「そうだ。」



俺だっていつまでこんなところにいないで逃げればいいんだ。



貴「よし。」



俺は、勢いよく起き上がり自分の部屋へ戻る。



最低限の荷物だけ持ってここを出よう。



どうせ、最近来たばかりの俺のことを気にする奴なんかいないんだから。






案外荷物が少なかったため、早めに準備が整った。



いざ出ようとした時、



土「逃げるとはいい度胸じゃねぇか。」



副長の声が背後から聞こえた。



貴「・・・ッ!?」



驚きすぎて、心臓が一瞬止まった気がする。



土「ったく、まさかとは思ったが本当にやるとはな。」



貴「な、なんのことですか?さっぱりわかんないんですけど・・・。」



土「雪村が教えてくれたんだよ。」



そう言って、副長は雪村サンを指差した。



俺の視線が、彼女に行くと何故か彼女は慌てたように副長の後ろへ隠れた。



貴「・・・口に出てた?」



雪村サンが小さく頷く。



・・・やってしまった。



っていうか、めっちゃ恥ずかしい。



穴があったら入りたいとはまさにこのことだろう。

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百目鬼(プロフ) - 沓名さん» ありがとう! (2014年7月22日 22時) (レス) id: ba2c7dd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
沓名(プロフ) - 分かりやすくまとめてくれてありがと! 更新がゆっくりでも待ってるから大丈夫だよ(^^)/ 頑張ってね♪ (2014年6月9日 0時) (レス) id: 8dd220fc52 (このIDを非表示/違反報告)
百目鬼(プロフ) - 月夜桜さん» ありがとう☆ 学校に包帯巻いてドヤ顔で登校してきた君に言われるとは光栄だよ☆ (2014年6月8日 21時) (レス) id: ba2c7dd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
百目鬼(プロフ) - 玲音さん» wwwだしょ? 頑張るっす(`・ω・´) (2014年6月8日 21時) (レス) id: ba2c7dd8f3 (このIDを非表示/違反報告)
月夜桜(プロフ) - 人のこと言えない中ニっぷりだね!(^ω^) (2014年6月8日 20時) (レス) id: be8b5973b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雷々 | 作者ホームページ:http://nekomoti  
作成日時:2014年4月23日 0時

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